特許侵害を理由とする賠償請求の恐怖

下記の記事が出ている。

　Patent trolls want $1,000 — for using scanners
　ars technica: January 2, 2013
　http://arstechnica.com/tech-policy/2013/01/patent-trolls-want-1000-for-using-scanners/

万が一に備え，可能な限り有能な弁護士事務所と契約してその顧問料を支払い続け，かつ，応訴するための莫大な費用を準備しておかなければならない社会になったようだ。

濫訴のような場合，訴訟費用及び弁護士報酬を全額相手方負担とする法制度になっていれば，少しは良いかもしれない。

しかし，日本の裁判官にはそのような発想が皆無または非常に希薄なので，勝訴してもかなり悲惨な事態が（ほぼ100パーセント確実に）待ち構えていることを理解すべきだろう。

かくして，資金的な余力のない事業者は，訴訟に勝訴してもどんどん枯れ果て，消え去るという過酷な社会が形成されることになる。

基本的には制度設計の問題なのだろうと思う。しかし，日本の国会ではそのことを理解するのは無理だ。