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2013年1月 6日 (日曜日)

米国:電車等の乗降に使うICカード,ATMで使用可能なクレジットカードや銀行カード等の利用によって自動的に収集される利用者の位置情報について,事前の承諾なく収集することを違法とする法案が検討されはじめたようだ

下記の記事が出ている。

 Their Apps Track You. Will Congress Track Them?
 New York Times: January 5, 2013
 http://www.nytimes.com/2013/01/06/technology/legislation-would-regulate-tracking-of-cellphone-users.html

現実には,約款の中に「承諾」の条項が盛り込まれるので,承諾しないことには利用不可能ということになるだろう。

しかし,問題はまさにそこにある。

1:約款による自動的な承諾を禁止し,常に個別の承諾を得るものとした上で,承諾がない場合に契約を締結させないこういを違法行為として厳重に処罰するようにする。

2:承諾なしに収集した場合には,無条件で,当該収集をした企業のトップ経営者及び責任のある従業員全員を厳罰に処するようにする。

3:当該年度の売り上げ金額全額が犯罪によって得られたものとみなして全額を没収する。

以上のような非常に厳しい方策を講じなければ,全く何の意味もない。理念だけ述べても実効性はないし,逃げ道はいくらでもある。

要するに,これ以上厳格なものはないというくらい非常に厳しい処罰の導入しか効果的な対応策はないと思われる。

しかし,当然のことながら,日本国の個人情報保護法では上記のような対応策など微塵も含まれていない。

だから,どうにもならない。今後もそうだろう。

企業経営者は,安心することができる。今後も,従来どおり,約款によって法律による規制をほぼ全面的に回避し続けることができる。学者や国会議員がどんなに立派なことを考えたところで,法律は単なる飾り物に過ぎない。

なお,EUの法制及びその運用は日本や米国におけるのとかなり異なっていて,厳しい。だから,日本を含む東アジア地域で大丈夫だからという理由で,東アジアの企業が迂闊に世界進出すると,とんでもなく痛い目にあうことになるかもしれない。場合によっては,倒産必至となるような巨額の制裁金の支払いを命ぜられることもあるだろう。

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