企業経営者の88パーセントは自分の会社のシステムには脆弱性がないと考えているとの調査結果-現実には6割の企業が攻撃を受けている
下記の記事が出ている。
88% of businesses think they're safe from cyber attack
infoSecurity: 09 January, 2013
http://www.infosecurity-magazine.com/view/30128/88-of-businesses-think-theyre-safe-from-cyber-attack/
まさに「根拠のない自信」の標本のようなものだと思う。
実際には,何も脆弱性のないシステムなど存在し得ないので(もし何も問題がないのであれば,どうしてゼロデイバグやセキュリティパッチが存在するのだろうか?),全く問題がないと認識している経営者は脳機能に相当問題があり,企業経営者として適切ではないということになるだろうと思う。
そのような経営者に任せていると,会社は潰れる。そのような会社の株主は,直ちに解任を求めるべきだと考える。
「絶対に安全などというものはあり得ないことであり,常に潜在的な脆弱性がある」と公言し,正しい認識・理解に基づいて日々対応策を考える経営者が最も信頼できる経営者だ。
なお,この調査結果は,Deloitteによるものであり,当然のことながら,網羅的であるはずがないし,調査者自身も「完全であるはずがない」という根源的な問題があるので,100パーセント信頼できる調査結果だということはできない。
また,企業経営者としては,本当は不安をもっていても,「自信たっぷり」を装わなければならないという俳優的な演技を求められることがあるので(←その意味で,企業経営者は詐欺師的能力を常に求められる。),調査に対する回答という基礎データの信頼性に対する検証も必要になるだろう。
しかしながら,おおざっぱに言って,本当でも嘘(虚勢など)でも,「安全だ」と公言する会社はとても危険だ。顧客や株主は安易にそれを信じてしまい,多大の損失を被る可能性がある。
社会全体の「あり方」のようなものが問われているのかもしれない。
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