中国:米国に対抗して,アジア太平洋地域をカバーする新たな位置情報提供サービスを宇宙衛星北斗(Beidou)から提供
下記の記事が出ている。
China's Beidou GPS-substitute opens to public in Asia
BBC: 27 December, 2012
http://www.bbc.co.uk/news/technology-20852150
深刻な問題が増えたことになるかもしれない。
それは,国防目的で,GPS情報が意図的に不正確なものとして少しずらして提供されていることと関係している。
もし常に正確な情報を提供すると,仮想敵国から何らかの攻撃を受けることを想定する場合,当該仮想敵国が自動的に位置測定をしながらピンポイントでの攻撃を可能とするというリスクを負ってしまうことになるからだ。
歴史的には,中東地域で米軍が大規模に展開した際などには完全に正確な位置情報が提供されていた。そうしなければ,攻撃する側としても作戦を遂行することができなかったからだ。
さて,このような軍事的利害を有するのは中国も同じだ。したがって,中国の衛星も意図的に少しずらした情報を提供することになるだろう。
このずらし方が米国の衛星と完全に一致していれば弊害は少ない。
問題は,コンフリクトを生じた場合だ。
どうするつもりなのだろうか?
どちらにしても,一般市民としては,GPSに頼りすぎると非常に危険だ。
「GPSは非常に正確で正しい」というのは迷信の一種なので,完全に捨て去らなければならない。
GPSなしでも大丈夫なように,サバイバル能力を高めなければならない。
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(余談)
中国は,アジア太平洋地域全域にわたり強力かつ大規模な軍事作戦遂行能力があるということを示威したいというのが,政治学的な観点からみた場合の解釈ということになるだろう。
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(余談2)
世界規模での軍事作戦遂行を阻止するためには,仮想敵国のGPS衛星をなきものとすることが必須となる。
中国は,ミサイルによる破壊実験に成功している。しかし,失敗している。なぜなら,破壊によって飛散する宇宙ゴミが自国の軍事衛星にも致命的なダメージを与えかねないからだ。つまり,ミサイルによる破壊は一時的には優位を保つために有効かもしれないが,長期的には自国に重大なダメージを与えることになる。
地球規模でのジャミングにも同じような問題がある。
そこで,ロボット宇宙船等による捕獲作戦ということになるのだが・・・
「宇宙法」はある。しかし,紙の上に書かれた「規範」であるのに過ぎない。現実には,軍事力という事実が支配している。
法学者や裁判官等が軍隊指揮官に指揮・命令することなどできないのだ。
古代ローマの歴史を学ぶと良い。
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