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2012年12月 8日 (土曜日)

2013年の情報セキュリティ上の脅威は殺人

下記の記事が出ている。

 Cyber-attacks that kill, IPv6, and vulnerability markets on tap for 2013
 infoSecurity: 07 December, 2012
 http://www.infosecurity-magazine.com/view/29741/cyberattacks-that-kill-ipv6-and-vulnerability-markets-on-tap-for-2013/

この記事に書かれていることは多岐にわたるが,どれもそのとおりだと思う。

コンピュータとネットワークシステムは汎用の道具なので,殺人を含め,ほとんど全ての犯罪のための道具として利用することができる。また,ネットワークが詳密化されればそれだけ脆弱性要素が増大し,全体を一気に崩壊させてしまうこともピンポイントで特定の対象だけ攻撃することも,どちらもできてしまう。

それゆえ,例えば,殺人で考えてみると,特定の個人だけを狙った暗殺が可能であると同時に,何万人もの人々を一気に殺してしまうようなタイプの攻撃も可能となる。現実に既にそうなっていると考えている。

これは,当たり前過ぎるくらい当たり前のことだ。

これまで,利用者を詳細に個体識別し,監視や商業利用に役立てるための技術開発ばかりやってきたので,結局,犯罪者やテロリストにとってもとても快適な世界ができあがってしまったと言える。

誰が考えても論理必然的な帰結だ。

私は,10年以上も前から明治大学の法学部及び法科大学院の講義でそのように教えてきた。

これらの点については,世界がやっと私に追いついてきたという感じだ。

私が指摘してきたことで世界がまだ全く追いついていない事柄が多々ある。

私の講義を受講している学生は現実に議論がなされるようになる何年も前から未来の議論を知ることができているはずだ。

ただし,そのように受け止めることのできている学生が現実にどれくらいいるのかについては知らない。

きっと,「マッド・プロフェッサーだ」と思っているのだろうな(笑)

[このブログ内の関連記事]

 コンピュータウイルスなどによって医療機器類が汚染され,患者を死なせてしまう脅威
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-e4cb.html

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 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-2b45.html

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 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-fa41.html

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 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-551d.html

 スマートな社会は危険な社会?
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-68f6.html

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 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/darpa-536e.html

 人間の思考を読み取る装置(EEGヘッドセット)
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/eeg-23a4.html

 思念コントロール機器
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-53eb.html

 思念コントロールの脆弱性
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-8dad.html

 電磁波兵器による攻撃
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-b5a1.html

 電子的な武器に対応するため,銃砲刀剣類所持等取締法の抜本改正が急務
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-3507.html

 日本工業規格の大規模修正の必要性について
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-bea7.html

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