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2012年11月 8日 (木曜日)

清水克行『日本神判史』

別の書籍を探すためにちょっと立ち寄った書店で目にとまり購入した。通勤途中の電車の中で読んでみた。面白い!

 清水克行
 『日本神判史』
 中公新書, 2010
 ISBN-13: 978-4121020581

日本の神判といえば,盟神探湯(くかたち)などが有名だ。高校の歴史の授業では,古代に行われたものとして習う。

しかし,この本を読むと,実は中世においても盛んに行われたという歴史的事実を知ることができる。

新書というコンパクトな書籍なこともあって,普通の人々にとって,現代までつながっている日本の社会の本質というものを理解する上で非常に有用な一冊と言えるのではないかと思う。

お勧めの一冊だ。

なお,日本の社会の本質を探るという意図でこの書籍を読む場合,「ハレ」と「ケ」という感覚を十分に理解しておく必要があることは無論のことなのだが,それと同時に,自分自身も一人の日本人として既にそのような感覚に支配されてしまっており,それゆえに評価にバイアスがかかってしまっている可能性があることに十分に留意する必要がある。

「公平にものごとを考える」ということは,非常に難しいことだ。けれども,自分の思考にバイアスがかかっている可能性に留意しているかどうかによっても,その公平さの度合いが相当異なったものとなるだろう。

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