異なる3名のヒト遺伝子を合成した人工胚
下記の記事が出ている。
Three-person IVF trial 'success'
BBC: 24 October, 2012
http://www.bbc.co.uk/news/health-20032216
いろいろと議論を読んでいるし,今後もっと議論を呼ぶことになるだろう。
この胚が順調に成長し,普通のヒトとして成長した場合,もし遺伝子によって個体識別するとすれば,その「個体」は3名と数えるべきだろう。しかし,どう観ても1名にしか見えないから,マルチモーダルによる個体識別という方法は,理論的にも現実にも完全に破綻したと断定することができる。
つまり,技術の進歩により,ヒトの個体識別手段が喪失してしまったというのが現在の状況であると判断することができる。
個体識別は,全ての法制度の基幹部分を構成する重要な要素のひとつなので,既存の法哲学や法解釈学も基本的に崩壊したと考えて良い(もっとも,子は両親の遺伝子の自然合成物であるのが普通であるので,遺伝子だけをみた場合,独立の個人として考えることが最初から間違っていたというアプローチも可能で,現に,日本を含む世界各国の法定相続制度はそのような考え方を基盤にしなければ理解し難い。換言すると,法制度全体をみわたすと,かなり基本的な部分で自己矛盾を含む法制度を構築してしまっており,法制度全体としては内部的な整合性がとれていないのだ。)。
私は,普通の法理論体系とは異なるまったく別のアプローチで新たな法体理論系を模索し,研究し続けている。ただし,誰もスポンサーになってくれないので,資金不足により,研究の進展・速度は極めて遅い。加えて,誰も理解してくれない(←理解できそうにない,または,理解できても賛同してもらえそうにないという場合を含む。)。
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