Googleが,画像などを自動解析して自動的にタグ付けする技術の特許を取得
下記の記事が出ている。
Indexing the world: Google gets patent for software that can intelligently identify any object on the planet
Daily Mail: 30 August, 2012
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2195722/Indexing-world-Google-receives-software-means-intelligently-identify-object-planet.html
Google patents video tech that knows what it's looking at
CNET: August 29, 2012
http://news.cnet.com/8301-17939_109-57502445-2/google-patents-video-tech-that-knows-what-its-looking-at/
警察的な利用法としては,例えば,街路のモニタで撮影された人物の中の特定の者だけに特別のタグ(目印)を自動的につけて追跡しやすくすることなどが考えられる。世界中の警察が応用するとなれば,Googkeは巨額の特許料収入を得ることができそうだ。
他方,この特許を使った自動タグ付けシステムをハックすれば,例えば,世界中を特定の宗教や政治的教義の宣伝文言で埋め尽くしたり,特定の独裁者を褒め称える文言で埋め尽くしたりすることが可能になるのではないかと思う。
他方,画像の中には,当然のことながら,他人に著作権のある著作物も写りこんでいる。その「他人の著作物」に自動的にタグ付けをした場合,これまた当然のことながら,同一性保持権の侵害を自動的に実行していることになる。つまり,この特許は,特許それ自体として著作権侵害物であるという意味で公序良俗に反し無効な特許である可能性がある。もちろん,米国等のようにパロディ等を比較的ゆるく認める国では問題はないだろう。しかし,日本の著作権法通説は完全に狂っているし最高裁も同じなので,この特許が著作権侵害物として無効とされる確率はほぼ100パーセントの確度だと思われる。
また,同様に,勝手なタグ付けは,名誉毀損を構成する場合がある。プロッサーの分類で言えば,第3類型に属するプライバシー侵害が生ずることになる。もちろん,タグ付け行為それ自体は「表現の自由」の一部に含まれることになるから,より正確な言い方をすれば,表現の自由対プライバシー保護という毎度おなじみの論争の構図がここでも発生することになると考えられる。
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