Beach Forest Species and Mangrove Associates in the Philippine
フィリピンの環境学者Jurgenne H. Primavera氏から下記の書籍の寄贈を受けた。ありがたいことだ。
Beach Forest Species and Mangrove Associates in the Philippine
Jurgenne H. Primavera, Resurreccion B. Sabada
SEAFDEC, UNESCO, MaB & Japan Funds-in-Trust
UNESCO等からの資金提供に基づきフィリピンのマングローブ林など海浜森林に棲息する多数の植物を調査・研究した結果をまとめた書籍で,たぶん非売品だろうと思う。
非常に示唆に富む重要な事項がいっぱい書かれている。
しっかり読んで勉強しようと思う。
日本でもそうなのだが,海浜の森林は,海水による浸蝕から土地を守っている。それを安易に開発すると,海蝕がひどくなり,土地が消滅する。海蝕の阻止はコンクリートの構築物によっても実現可能だが耐久年数を経過すると更新その他のメンテナンスをしなければならない。これに対し,自然林の場合には,自らの生命活動によって駄目になった部分を新しい樹木等の芽生えにより自動的に更新する生態系システムをもっているので,人為的なメンテナンスを要しない。また,人工的な松林等では過度の密植によって耐久性等が逆に減退するという現象がみられることがあるが,自然林の場合には自然淘汰によって適切な数と密度の樹木しか生きることができないから,過密という問題が発生することもない。
このように自然林の効用には極めて大きなものがある。
しかし,自然林(里山の半自然環境に属する森林の場合を含む。)の価値が理解されることは比較的少ない。関連訴訟の動きをみていると,法律家(裁判官を含む。)の場合にも同じではないかと思う。
人間の傲慢とでもいうべきか,どんな自然現象でも人為的に管理可能という前提で現代社会が成立している。
そもそもそのように考えることそれ自体が誤りだということを認識・理解しない限り,人類の未来は非常に暗いように思う。
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