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2012年8月11日 (土曜日)

The Oxford Handbook of the Digital Economy (Oxford Handbooks)

Amazonに注文していた下記の書籍が届いたので,読んでみた。

 The Oxford Handbook of the Digital Economy (Oxford Handbooks)
Martin Peitz, Joel Waldfogel (ed.)
 Oxford University Press (2012/8/6)
 ISBN-13: 978-0195397840
 http://www.amazon.co.jp/Oxford-Handbook-Digital-Economy-Handbooks/dp/0195397843

基本的な考え方を理解するには有用な書籍だと思う。私でも全部読み通して理解することができた。

日本では,著作権法しか知らないのに「情報財」云々を論じている者がいないわけではない。かなり歪んでいると思うし,法学の将来を考えると有害なことでもあると思っている。

経済学における「財」と法学における「財」とは異なるし,裁判所は裁判所で全然別の観点から(一般的にはその場しのぎ的に)便宜的な取扱いをするのがむしろ普通なので,一律に論ずることはできない。しかし,少なくとも経済学における「財」のとらえ方を理解した上で法概念の検討に進むという順番を間違うと,そもそも何が「法益」であるのかの検討を抜きにして「ないようがないよう(内容が無いよう)」と言われても仕方のない空理空論を形成してしまうことになりかねない。

もちろん,経済学にも様々な立場があり,数値計算の結果に基づくシミュレーションをしてみただけでそれが「理論だ」と言われれば,もちろん「馬鹿ではないか」と批判したくなるほうなのだが,それでも,そのような立場があるという事実は認識しなければならないし,その論理がどのような基本構造になっているのかを理解することも必要なことだ。その上で,自分なりに経済財としての「情報財」のイメージを形成していくしかない。

昨年,大野教授が特別休暇となったため大野教授ご担当の「情報法」の講義を1年間担当した。自分なりに講義内容を検討した上で,経済財としての「情報財」というものを考えた上で,現在の法制上の問題点などについても講義をした。よい経験だったと思う。その後,更に文献を読み重ね,研究を継続している。やればやるほど「ないようがないよう(内容が無いよう)」と嘆かざるを得ないような存在意義が全くない論文が著しく多いことを認識し,学問の衰退のようなものを実感する毎日だ。

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