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2012年8月16日 (木曜日)

インターネットTVの普及によって,従来型の(一方的な番組たれ流し的な)テレビ放送ビジネスは消滅

下記の記事が出ている。

 The end of the remote control? Sky launches app that lets your iPad control your TV
 Daily Mail: August 15, 2012
 http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2188752/The-end-remote-control-Sky-launch-app-lets-iPad-control-TV.html

従来型のテレビ局によるテレビ放送の時代は本格的に終局段階を迎えつつあるようだ。

私は,既に全ての受像機器を廃棄し,テレビをやめてしまった。

それで困ることは何一つない。

速報性を要する時事の問題についても,ニュースソースに直接アクセスできる場合が増えているので,新聞やテレビよりもずっと速く事情を把握することが可能な世界となりつつあると思う。

テレビをやめてみて思うのだが,くだらない芸人や妙な評論家のような人々の顔を見ないで済むだけ,かなり精神衛生によろしい。たいした根拠のない論評や感想等を耳にしたり読んだりする機会はなくなり,自分で資料を吟味し,よく考えるようになった。

以下は,あくまでも一般論だ。

これからのコンテンツ産業は,政治的または商業的意図で歪曲した内容のコンテンツを社会に放流し,それによって国民を洗脳するというやり方が次第に意味を失うということに気づくべきだろう。より意味のあるコンテンツ又はより面白いコンテンツ又はより機能的なコンテンツを本気で制作しないと生き残れない。SNSによる情報共有やTwitteなどによる意見・批判・評論の急速な拡散という環境の下では,相互に意図していない結果的な相互性が強化されるという現象が見られるように思う。この現象は,そのようにしたい(または,したくなく)という当事者の意志と無関係にそのような結果が生じてしまうという点,そして,誰もが対等な当事者となり得るという点で,これまでの情報環境とはちょっと違っているように思う。その分だけ,質的な問題は発生するし,行き過ぎのような事例も発生することだろう。しかし,冷静に考えてみると,これまでの新聞・テレビ上のコンテンツが質的に優れていたかといえば,そういうことはない。また,これまでの新聞・テレビ上のコンテンツに行き過ぎがないかというと,むしろひどいものが多かった。現状のほうがマシなのではないかと思う。

私は,これまでずっと,データ駆動型のアーキテクチャというものを中心にものごとを考えてきた。もしネット社会全体を一つの巨大なコンピュータシステムとしてとらえるとすると,まさにデータ駆動型ということになるのだろう。もちろん,超巨大なデータベース企業が情報を独占するということはある。しかし,その場合でも,当該データベースの利用者が個々のデータを加工・利用するという営みがあることを必須の前提としなければ,そもそも産業として成立しないということに気づくべきだろう。

そして,テレビ局という産業形態について更に一般化して考えてみると,「画像情報配信サービス」というカテゴリで全てをくくって考えてみるというところまで行き着く。インターネットのない時代には,地上波テレビ放送か映画館における映画上映くらいしか大量に画像情報を配信する技術的手段がなかった。だから,そのような技術的制約をボトルネックにしてテレビ産業や映画館産業が盛隆を極めるという産業構造が成立可能だったと言える。しかし,今は違うのだ。テレビ番組にしろ映画にしろ何にしろ,およそ「画像情報」のカテゴリに含まれる情報の伝達経路について,かつてのようなボトルネックは解消してしまった,そのためにそのボトルネックを利用した産業の成立基盤が失われてしまったということに気づかなければならない。

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(余談)

インターネットテレビが普及すると,視聴率測定会社が番組視聴率を計算し,その計算結果に基づいてスポンサー企業が商業宣伝広告を提供しその広告料を支払うというビジネスモデル全体が崩壊してしまう危険性が極めて高い。

インターネット上の画像コンテンツの視聴率に該当する検索数,アクセス数,ダウンロード数等の数値は当該コンテンツを提供しているサイト上で自動的に計算・表示されるようになっていることが多い。もちろん数字の操作による偽装もあるだろうが,それは現在のテレビ番組の視聴率調査でも同じだから異とするに足りない。

むしろ,リアルタイムに数字が得られるということ,そして,そのための(視聴率調査費などの)コストがかからないというところが非常に重要だ。スポンサー企業にとっては,より低コストでより効果的な商業宣伝広告を考え実施することが可能になる。

そうすると,テレビ局等の主な収入源である商業宣伝広告料収入という「お金の流れる川」が大きく流れを変えてしまうことになるということになる。

さて,どうなることやら・・・

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[追記:2012年8月19日]

関連記事を追加する。

 Apple, Microsoft, Google and the sad state of TV
 Washington Post: August 17, 2012
 http://www.washingtonpost.com/business/technology/apple-microsoft-google-and-the-sad-state-of-tv/2012/08/17/8c4042d4-e7f1-11e1-9739-eef99c5fb285_story.html

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