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2012年8月11日 (土曜日)

岸博幸のクリエイティブ国富論

下記の記事が出ている。

 岸博幸のクリエイティブ国富論:「偽造品の取引防止に関する協定」通称・ACTAを巡るネット上の狂騒
 ダイヤモンドオンライン: 2012年8月10日
 http://diamond.jp/articles/-/22916

ACTAについてどのような意見をもとうと,それは各人の自由なので,この論者の思想信条の自由と表現の自由に属する。

もし法律家であるのなら,私の見解と真っ向から対立する法解釈論を信ずる者であっても,それはその者の学問研究の自由に属する。

しかし,私も私自身の学問研究の自由,意見形成の自由及び表現の自由を有する。また,私自身の法解釈論を持っている。

レッシグとは何度も直接に意見交換をしたことがあるし,コモンズのことも理解しているつもりだ。積極的に賛同もしないが,反対する理由も全くないので,中立的な立場にある。

私自身は,文芸の才能は全くないので,その分野ではクリエーターではない。だから,まことしやかに文芸論やクリエイティブ論をぶつことは差し控えるようにしている。強いて言えば,文芸作品に対する自分の好みはあるので,「この作品は好みだ」とか「好みでない」とか,その程度の意見を表明することはあるが,その程度のことだ。これまた私の思想信条の自由と表現の自由の範囲内に属する。

さて,あくまでも一般論だが,法律の素養が全くないのに,まことしやかな法律論のようにみせかけた論調で法律問題に関する論説を書くのは,やめたほうが良いと思う。もちろん,私が知らないだけで,本当は法律の専門家であるという場合(一般に,学位や資格等の有無,経歴,現在の職業などは,当該の者の実質的能力を理解するための判断基準としては全く機能しないし,意味をもたない。それらは単なる「しるし」の一種に過ぎず,その「しるし」が本当に意味のあるものかどうかは,別の判断尺度によって判定せざるを得ない。)には,私が誤解していることになるので,私がその誤解を解消するように努力しなければならない。

ちなみに,これまたあくまでも一般論だが,ACTAの交渉経過及びその内容は,騒ぎが広がるまで完全に秘密にされてきたし,その日本語訳もつい最近まで公表されていなかった。それでは普通の日本国民がACTAのことに関心をもてるはずがないし,十分な検討をする余裕だってあるはずがない。そのような状況にあることを無視して,「最近になって騒ぎは始まった」というような事実認識をすることは,かなり意図的に事実を歪曲することになると思うし,ACTA推進派のプロパガンダに過ぎないのではないかという疑いを持たせるのに十分だと思う。以上は,あくまでも一般論だが。

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