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2012年8月21日 (火曜日)

オーストラリア:クラウド時代への変化を考慮した著作権法改正議論

下記の記事が出ている。

 Copyright law review paper delves into cloud
 ZDNet: August 20, 2012
 http://www.zdnet.com/au/copyright-law-review-paper-delves-into-cloud-7000002851/

なお,日本では,Myuta事件判決などで示された裁判所の見解が正しいとすれば,利用者がストレージサーバなどにデータを記録する行為も私的利用ではなく公衆送信に該当してしまうことになるという問題があった。私は,そのような判決は,論理それ自体が支離滅裂であるという意味で「無効な判決」であると理解しているが,普通の裁判官はそう考えないだろう。

そのような状況の中で,日本国の著作権法の一部改正がなされ,パブリッククラウドなどのWeb上の私的ストレージへの記録行為は適法行為であることになった。つまり,日本国の著作権法は,「コンテンツを仮想サーバに記録する」というレベルの問題については一応既に対応ができていることになる(それ以外のタイプの問題については,今後,とんでもない判決がどんどんでてくる可能性が高い。現在の普通のレベルの裁判官には,そのようなタイプの事件を審理することは能力的に無理だ。)

ただし,この改正は,違法ダウンロード処罰化という法改正とトレードオフの関係にあったので,どちらがよかったのか分からない。

いろいろと言いたいことはあるが,結論として,「現実の社会に正義などないな」という感を深めることが多い。


[このブログ内の関連記事]

 著作権法の一部改正による違法コピーされたコンテンツのダウンロード行為厳罰化に対する抗議として,Anonymousが自民党,最高裁,財務省等のWebサイトを攻撃?
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/anonymousweb-41.html

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