MicrosoftのWindows 8 はスパイウェアか?
下記の記事が出ている。
Windows 8 Tells Microsoft About Everything You Install, Not Very Securely
Nadim Kobeissi
http://log.nadim.cc/?p=78
Microsoft denies Windows 8 app spying via SmartScreen
Register: 25 August, 2012
http://www.theregister.co.uk/2012/08/25/windows8_smartscreen_spying/
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(余談)
OSやアプリサービスがどんどんクラウド化するにつれ,環境それ自体がスパイウェア(スパイ環境)へと移行することは論理必然であり,不可避なことだと思われる。
最も究極の状態を考えてみればそのことを簡単に理解することができる。
究極の状態では,スマートフォンやパッドなどのデバイスには,画面表示装置,スキーカー,マイク,キーボード(タッチ式のものを含む。)などの入出力装置と通信装置しかなくなってしまう。記憶装置は全てクラウド側にあるわけだし,OSを含む全てのアプリケーションがクラウド側にある。そして,クラウド側では端末保有者の位置情報を取得しないと,時刻や言語の自動設定をすることができないわけだし,デバイスのIDをチェックしなければ適正に知的財産権(著作権,特許権等)の管理をすることができない。そして,利用者が積極的に入出力をオフにしないと,自動的に全ての情報がクラウド側に記録され続けることになる。全ての情報を記録・管理しなければ,利用者の利用履歴を管理することができず,適正な課金やメンテナンス等をすることもできなくなってしまうだけでなく,利用者が使っているデバイスにスパイチップ等が組み込まれていないかどうかを監視することができなくなってしまうからだ。
要するに,パブリッククラウドとは,それ自体で,(例外なく,常に)スパイそのものだということができる。そして,そのことを利用者に正しく認識・理解させていない限り,パブリッククラウドのシステムは,それ自体として,刑法によって処罰される「不正指令電磁的記録」に該当する電磁的記録を必須の構成要素とする電子計算機であるという法解釈論も可能だと思われる。
だから,クラウドの中でデータが暗号化されているかどうかが重要になるわけだ。それゆえ,このブログでもその関連の記事を書いてきた。しかし,クラウドの運用に必要な利用履歴等のデータは,もともとクラウド側で保有されるデータとして扱われるし(=利用者が絶対的な支配権を有するデータであるとすれば,クラウド側では何も管理できなくなってしまう。),暗号化したのでは管理できなくなってしまうので,暗号化されることはない。
というわけで,パブリッククラウドを利用するのはやめよう。
古いPCで,絶対にネット接続せずに使用していれば,上記のような問題が発生する余地がない。
「情報を共有」しなければならないという合理的な理由は何もない。この強迫観念から逃れることができれば,世界を別の視点から観察することができるようになる。
おそらく,ポストクラウドのビジネスは,そのような視点から始まることになるだろう。
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