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2012年8月17日 (金曜日)

Human Ict Implants: Technical, Legal and Ethical Considerations

Amazonに注文していた下記の書籍が届いたので,早速読んでみた。

 Human Ict Implants: Technical, Legal and Ethical Considerations (Information Technology and Law Series IT & Law 23)
 Mark N. Gasson, Eleni Kosta, Diana M. Bowman (ed.)
 T.M.C. Asser Instituut (2012/6/15)
 ISBN-13: 978-9067048699

この書籍は,人間の生体に装着(インプラント)されるRFIDチップその他の電子デバイスに関するものだ。

このようなインプラントについては従来からも様々な議論があるし,私も短い論説を書いたり,講演で私見を述べたりしたことがある。

しかし,まとまった論文集というとなかなか良い本がない。理系の雑誌の中には時折関連する論文が公表されていることもあるのだが,法的課題や倫理的課題を一切無視して「新しいことは良いことだ」という馬鹿まるだしの前提で技術論だけ述べているものがあまりにも多すぎ,辟易していた。

この書籍は,そうした様々な課題について真剣に取り組んだ論文を収録した論文集の体裁をとっている。もちろん日本の書籍ではないので,日本国法とマッピングするためにはそれなりの法的素養と経験が必要になるが,そうでない人々にとっても「何が問題であるのか?」を理解するためには,全てが明確に記載されているので,とても良いと思った。

リファレンスの充実した論文が多数含まれており,今後の研究の上での有用性も高い。

立派な本だ。

この分野と関連する者にとって必読・必携の一冊だと考える。

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