脱法ハーブ:傷害罪による立件が可能ではないか?
下記の記事が出ている。
「客の自己責任」 住宅街に脱法ハーブ工場 「売れる」薬品混ぜ量産
産経ニュース: 2012.7.26
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120726/crm12072609080003-n1.htm
この記事に書かれているような作業現場及び作業内容であったことを証拠によって立証できるということ,そして,脱法ハーブにより健康状態に失調をきたした者が存在するということを証拠によって立証できるということが前提のことだが,もしそうであるとすれば,「客の自己責任」と述べた者を傷害罪で立件可能と思われる。
「客の自己責任」という認識をもっていたという事実は,「健康状態に失調が発生し得る」ということを認識しつつ,それでも構わないという意思で行為を実行したということを推認させることになるからだ。この推認を覆すことは(発言時に精神錯乱していた場合などの特殊な場合を除き)不可能に近い。
民事責任に関しては,購入した者の過失が過失相殺として考慮に入れられることがあるかもしれない。
しかし,製造者の刑事責任を考える場合,客の過失行為を前提に製品を製造している以上,100パーセントの刑事責任を負わせてよいと考える。
過失傷害罪等ではなく,傷害罪が妥当だ。
なお,そこまで悪質とは言えない場合であっても,大概の事例では,次のどれかに該当するものとして処罰可能だろうというのが私の公式見解だ。
1:喫煙品等(たばこ事業法2条3号により「製造たばこ」は喫煙品のみに限られない。噛み用及び嗅ぎ用のものも含まれる。)については,製造たばこ代用品(たぼこ事業法38条により「製造たばこ」とみなされる。)の製造・販売行為として処罰可能(たばこ事業法47条~49条)
2:薬事法に定める化学物質を含むものについては,薬事法違反行為として処罰可能
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