死体には迂闊に触らぬこと
下記の記事が出ている。
死体からカード抜き取り容疑の大阪市職員、敗血症で急死
産経ニュース: 2012.7.8
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120708/waf12070814300004-n1.htm
この事件の容疑者がそうかどうかは知らないが,あくまでも一般論としては,迂闊に死体に触れてはならない。
死後どれくらいの時間が経過しているかにもよるし,その死体が感染症による病死によるものかどうかによっても異なるが,仮に何らかの感染可能なバクテリアやウイルスが死体に付着しているか,または,死体内にある場合,その死体に触れた者にも感染する可能性がある。
かつて欧州でペストが流行ったころ,攻城戦において,城外から病死した兵士の死体等を投石器を用いて城内に投げ入れる攻撃があったそうだ。これなどは,まだ細菌というものを人類が知らない時代だったとはいえ,何らかの病因が感染するという直感的な判断に基づく攻撃方法と言えるだろう。現代で言えば,細菌戦の一種と言えるかもしれない。
あくまでも一般論だが,何らかの原因で亡くなった人から財布等を盗むと,同様に感染することがあり得ると思われる。
ちなみに,マルウェアに感染したコンピュータシステムだと知らずに不正アクセスした場合,そのコンピュータシステムから不正アクセス者にマルウェアが感染することがある。電子バージョンで同じことがおきているということができるだろう。
更に,そのような原理の応用として,不正アクセスした者に対し,意図的にスパイウェアを組み込んでおいたファイルなどをわざとコピーさせ,そのファールをビーコンとして追跡するという手法も(理論的には)あり得るし,スパイウェアではなくマルウェアを組み込んでおき,不正アクセス者のシステムを破壊させるという手法も(理論的には)あり得る。
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(余談)
死体ではないが,生体を媒体として生物兵器攻撃をすることは古くから行われている。要するに,細菌やウイルスを感染させた者を,その潜伏期間内に敵地に送り込むというやり方だ。多くの場合,媒体とされている者には感染の事実が知らされていない。そのため,拷問をしても白状することはないし(←理論的にあり得ない。),大抵の場合,敵地で死亡して証拠隠滅ということになる。
潜伏期間が長い病気の原因となる微細な動物,細菌,ウイルス等については,もっと困った「作戦」が存在し得るし,現実に多数の実例があるはずだ。例えば,売春目的で渡航しようとしている者(若い女性など)に密かにHIVや微生物などを感染させ,相手国においてその顧客となった者に対してHIVや寄生虫病等を感染させるというやり方だ。もし売春婦を大量に生産し輸出している国が存在するとすれば,要注意と言わざるを得ない(一般に,売春目的での海外渡航を認める国はないことになっているが,建前と本音は異なる。外貨獲得のために事実上推進することもあるだろう。その場合,国は,国民を奴隷化してでも外貨を獲得しようとしていることになる。また,積極的に認めるわけではないが,海外渡航希望者の意図を察しても担当係官が黙認するという場合が多々ある。この場合もまた,国が不作為によってそのような政策を推進しているのと同じことになると考えられる。加えて,黙認する代わりに賄賂を要求するヤクザ同然の係官ばかりという国があっても全く不思議ではない。)。
人間は,敵を攻撃するためにはどんなにあくどいことでも考え付くし,それを実行する動物だということを忘れてはならない。
そこでは「常識」など存在しない。
だから,常識的な判断しかできない者は,防御担当者には向いていない。
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