いろいろと噂があるが,ネット上では下記のような記事が出ている。
実質無法地帯!? 大人気コミュニケーションアプリの裏側とは
リアルライブ: 2012年07月26日
http://npn.co.jp/article/detail/12032112/
KDDIが「LINE」と提携し問われる通信事業者の姿勢
弁護士落合洋司(東京弁護士会)の「日々是好日」: 2012-07-19
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120719
私が一番問題だと思っているのは,プライバシーポリシーのあり方についてだ。「公開することを前提にしているので問題はない」との姿勢のようなのだが,公開になっていることによって何らかの犯罪被害者が発生した場合,(あくまでも理論的には)そのようなプライバシーポリシーを設定したことそれ自体を過失としてとらえることが可能だから,共同不法行為者として損害賠償責任を常に負うという解釈論が成立可能だと考える。
要するに,デフォルトで「公開」としてはならないのだ。このような解釈は,EUの個人データ保護指令及び関連指令の解釈・運用とも適合するものなので相当高度の正当性を有する。
今後,LineはEU域内でも使われるようになるのだろうが,そのときがLineの終わるときだと予想している。何故なら,上記の指令等に適合しないものであることが明らかだからだ。
本当は,日本国の個人情報保護法の解釈上も問題がないとは言えない。
Lineは韓国内でのみ使われるべきものなのだろう。
NHN
http://www.nhncorp.com/nhn/index.nhn
NHN Japan
http://www.nhncorp.jp/
なお,何らかの損害が生じても一切の責任を負わない旨の免責約款が消費者契約法に違反するものとして無効であることは言うまでもないことだ。
[追記:2012年7月30日20:38]
Wiredにしてはひどい駄目記事なので無視していたが,読んでいないわけではないので付記しておく。こういう迎合的な記事を書いていたのでは駄目だ。単なる商業宣伝広告の一種に過ぎないではないか。私は,こういうやり方を心の底から嫌悪している。
INTERVIEW 大ヒットした無料通話アプリ「LINE」の裏側
Wired Japan: 2012年7月30日
http://wired.jp/2012/07/30/interview-line/?utm_source=facebook&utm_medium=20120730
[追記:2012年8月9日]
関連記事を追加する。
LINEの“強制アップデート”に批判の声
@niftyビジネス: 2012年8月8日
http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/nifbiz-20120808-bm-27495/1.htm
[追記:2012年8月13日]
高木さんの日記にも出ていたので,追加する。
LINEがこの先生きのこるには
高木浩光@自宅の日記:2012年7月03日
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20120703.html#p01
私見としては,原則として「公開」とする約款は,消費者である利用者との関係では,消費者契約法に違反するものとして無効であると考える。Lineだけではなく,同種の通信サービス全てについて同様の考えだ。
[追記:2013年2月7日]
韓国の企業NHNの日本法人であるNHN Japanが会社分割及び商号変更をしたようだ。
South Korea's NHN to set up new units for mobile biz
ZDNet: February 7, 2013
http://www.zdnet.com/south-koreas-nhn-to-set-up-new-units-for-mobile-biz-7000010948/
NHN Japan、LINEに商号を変更 ゲーム事業は別会社に
日本経済新聞:2013年2月7日
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK06035_W3A200C1000000/
NHNは,韓国のポータル(ISP)であるNaver,Hangame(韓ゲーム)及びjr.Naber(ジュニアNaver)の3つをあわせた名前を付した会社だ。
NHN Japanから分割されたHangame(韓ゲーム)という商号は,韓国本国におけるのと同じ名前になったことになる。
LINEの意味については,(NHN Japanでは別の説明をしていたかもしれないが)「羅in」と解釈することが全く不可能ではない。「羅」は朝鮮を意味することがある。
以上については,日本国内では,きちんと漢字表記をすべきではないかと思う。韓国内ではハングルだけを用いるのが原則だが,韓国企業が日本国において企業活動を行う以上,日本語で用いられる漢字を使用するのは(日本企業が米国においては英語を用いるのが当然であり,日本企業が韓国内でビジネスを遂行するためにはハングル表記をするのが当然であり,中国語でもタイ語でもベトナム語でもロシア語でも何でも,当該国の言語で表記して仕事をするのは当然というのと同じ意味で)当然のことで,そのハングルに対応する意味を示す漢字表記するのは企業として当然の社会的義務の一部に属する。
[このブログ内の関連記事]
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