« Foxconnがインドネシアに生産拠点をシフト? | トップページ | フィッシングが増加 »

2012年6月29日 (金曜日)

オランダ:抗議活動としてのDDoS攻撃を合法化しようとする動き

下記の記事が出ている。

 Legalize this! Dutch party moves for DDoS decriminalization
 RT: 23 June, 2012
 http://www.rt.com/news/dutch-party-d66-ddos-legalized-protest-541/

 Legalize DDoS, says Dutch opposition party
 InfoSecurity: 25 June 2012
 http://www.infosecurity-magazine.com/view/26525/legalize-ddos-says-dutch-opposition-party

主張としては,現実世界でのデモ行進や抗議活動等と少しも変わらないということになるのだろう。

このような趣旨の法律が可決されるとは考え難いが,もし可決された場合,オランダではDDoS攻撃をしかけることが適法行為として許される場合が出てくる。

他の国では違法行為であっても,オランダでは適法行為である場合,例えば,政治的な抗議活動の一部としてオランダから日本国のサイトに対してDDoS攻撃をしかけたというような事例では,日本国の警察がオランダの警察に対して捜査協力を依頼しても,「オランダでは適法行為であり犯罪にならないから捜査できない」との理由で協力依頼を拒否することになるだろうと思われる。

なお,日本では,小さいころから「デモ行進をするのは悪い人たちだ」と信じ込ませるように,政府,自治体,教育機関,新聞,テレビ等が総動員で常に国民に対する洗脳活動を実施し続けてきた結果,国民の大半がそのように信じ込んでしまうようになってしまっているかもしれない。

しかし,(公務員であれ企業の従業員であれ)就業時間帯に政治活動することは職場放棄として違法行為になるのは当然だが,そうではなく就業時間外に政治活動をすることは国民の基本的人権の一部として日本国憲法が保障していることであり,その政治活動の中にはデモ行進等の抗議活動も当然に含まれる。ただ,そのような活動がエスカレートして暴動や暴力行為等に発展したり,交通安全に重大な支障を発生させるおそれがある場合等には(公共の福祉を優先させて)一定の制限を加えることができるという論理構造になっているだけのことだ(ただし,日本の最高裁は,基本的に警察側の自由裁量による制限行為を許容してきた。これは,東西冷戦という極めて厳しい国際政治環境の下で,最高裁が米国を中心とする価値基準を守るための国家組織として機能することが政治的に求められてきたからそのような判断結果を示してきただけのことだ。最高裁は,司法の頂点であると同時に国家統制のための重要な国家組織の一部であり,当然,特定の傾向をもった政治思想や政治体制を維持するための装置として機能することが最初から期待されているし,そのような機能を果たすことのできる者でなければ最高裁判事になることができない。つまり,「蒸留水」と同じような意味での「正義」など絶対にあり得ない。)。

さて,DDoS攻撃だが,たしかに,電子化された世界での「抗議活動」の一種であることはあり得る。

問題は,DDoS攻撃が成功すれば必ず業務妨害の結果が発生するということに尽きる。そのような場合を「適法な政治活動」の一種として理解すべきかどうかが議論の対象となろう。

私は,法律論としては難しいのではないだろうかと思っている。

仮に「許容される」との結論が採用された場合,抗議活動としてDDoS攻撃をした者に対する抗議活動の自由も(適法な政治活動の一部として)認めるべきことになるから,結果的に,ホッブズの『リヴァイアサン』的状況が顕在化・恒常化するだけではないかと考える。

既に何度も書いてきたとおり,本当は,現実社会及び電子社会のいずれにおいても,本質的にはホッブズの『リヴァイアサン』的状況下にある。ただ,それが普通は顕在化していないように見えるので「平和」であるかのようにごまかされ真実が隠蔽されているだけのことに過ぎない。

私は,そのような問題に関して,「戦時と平時が常に共存する状況」として説明している。

|

« Foxconnがインドネシアに生産拠点をシフト? | トップページ | フィッシングが増加 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Foxconnがインドネシアに生産拠点をシフト? | トップページ | フィッシングが増加 »