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2012年5月 8日 (火曜日)

中国:杭州電子科技大学(Hangzhou Dianzi University)のオンライン教育用Webサーバなどがハックされ,15万人分の個人アカウントデータ等が外部流出したらしい

下記の記事が出ている。

 Chinese uni hacked, 150,000 accounts dumped
 SC Magazine: May 8, 2012
 http://www.scmagazine.com.au/News/299830,chinese-uni-hacked-150000-accounts-dumped.aspx

中国のサーバが特に弱いということはないだろうと思う。

インターネットを用いた大学遠隔教育は一つの曲がり角にさしかかっている可能性がある。それは,情報セキュリティを確保するためのコストが異常に増大しており,維持可能な水準をはるかに超えつつあると考えるからだ。

[追記:2012年5月9日]

この記事に対してはいろんな意見があるようだ。思想信条の自由はあるので,それぞれどう考えようと自由だ。

この記事はブログ記事であり論文ではないので,あまり詰めた書き方をしていないし,そもそも自分用のメモを一般公開しているだけなので,本来的に,私自身にだけ理解できればよく私以外の誰にも理解できなくても一向にかまわないという性質のものだ。

しかし,大学と何らかの関係を有する者が誤解するとなるとちょっと困ることもあるので若干正確に捕捉しておく。

私が言いたいことは次のようなことに尽きる。メモでなく論説であれば下記のような内容のことを書くのだが,メモなので上記の本文程度のことを記録しておけば足り,私自身としてはその記述だけを思考のトリガーとして,下記のような内容を自動的に導出することになる。しかし,読者の大半はそうではないだろうと推定されるので,あえて種明かしをしておこうと思う。要するに,このブログに書かれている文章は,すべて暗号の一種だ。

1:まともにやろうとすれば莫大なコストが発生する。

2:まともな大学はまともに支出しようとするので,かなり深刻な経営圧迫要因となっている。

3:現実には,まともに予算を組んで対応しようとする大学は極めて少ないので,コストの増加という事実は存在しない。むしろ,労働基準法等の法令に違反してスタッフに対し無償労働を強いるような結果が発生することもあり(=大学のブラック企業化),全体として情報セキュリティが確保されない状態が発生・維持されることとなる可能性がある。

4:したがって,日本の大学の多くでも,中国のサイトと同様,潜在的には遠隔教育システムに対する攻撃が簡単に成功してしまう可能性がある。

5:にもかかわらず,対応するための予算が増加する可能性は乏しいので,現実にあり得る選択肢の一つとして,インターネットベースの遠隔教育そのものをやめてしまう経営者が増えることになる可能性が大きい。

6:大学教育は,もともとペイしないものであり,営利とはほど遠い存在だと思われるが,そのようなものであるのにもかかわらず大学というビジネスによって利益を生み出そうとするところに最初から無理があると考えられる。

7:にもかかわらず,私立大学の経営陣の多くは利益を出そうとする(少なくとも自分の報酬分だけは確保しようとする)ので,そのしわよせは,無償奉仕を強いられる教職員等にかかってくることになり,結果として,大学教育全体の劣化を招くことになる可能性がある。

8:以上は国公立大学(大学法人)でも基本的には同じなので,単純に「利益」や「費用対効果」の観点だけから事業仕訳等を実行すると,大学教育の劣化を招くことになると推定される。

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