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2012年1月26日 (木曜日)

EU:「忘れ去られる権利(right to be forgotten)を明示した個人データ保護指令の改正案を提示

下記の記事が出ている。

 Europe proposes data protection reforms
 USA Today (AP): January 26, 2012
 http://www.usatoday.com/tech/news/story/2012-01-25/EU-internet-privacy/52791466/1

批判もある。

 Critics: EU's proposed data protection rules could hinder Internet
 Computer World: January 25, 2012
 http://www.computerworld.com/s/article/9223717/Critics_EU_s_proposed_data_protection_rules_could_hinder_Internet

 Assessing the New EU Data Bill's Unforeseen Consequences
 Wall Street Journal: January 25, 2012
 http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203718504577183003187377594.html?mod=googlenews_wsj

しかし,現在問題となっているインターネット上での個人データの収集や自動プロファイリング等の多くは,世界各国の現行法に照らしても明らかに違法だ。日本国の個人情報保護法のようなボロボロ法律の目からみても明らかに違法なものが多い。ただし,日本政府の主務大臣がぜんぜん駄目なので,結果的に行政指導を受けたり処罰されたりすることがないというだけのことだ。ぜんぜん駄目な状況が改善される可能性は極めて乏しいので,そうした無政府状態を悪用して違法ビジネスが横行しているということが言える。

なお,私の予測としては,Anonymousのメンバーの中には,「プライバシー侵害的なネットビジネスがいかに駄目なのか」を明らかにするために,逆に個人データをハックしまくりリークしまくる者が出てくるのではないかと思われる。現実問題として,現在の個人データ収集サービスビジネスの中で,サイバー攻撃に対して防御可能なところはただの1箇所もない。

[追記:2012年7月21日]

関連記事を追加する。

 Legal opinion: Why EU proposals on reform of data protection rules matter to HR
 Personal Today: 16 July, 2012
 http://www.personneltoday.com/Articles/16/07/2012/58665/Legal-opinion-Why-EU-proposals-on-reform-of-data-protection-rules-matter-to.htm

 

[このブログ内の関連記事]

 忘れる権利(right to forget)と忘れ去られる権利(right to be forgotten)
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/right-to-forget.html

 忘れ去られる権利(right to be forgotten)に関する論文
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/right-to-be-for.html

 EU:「忘れ去られる権利(right to be forgotten)」が定着
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post.html

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