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2011年11月 6日 (日曜日)

米国:ミシガン州のいじめ防止法案について,父兄らから「いじめの継続を認める法律だ」との批判

下記の記事が出ている。

 Anti-bullying legislation attacked for allowing bullying
 Washington Post: November 5, 2011
 http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/post/anti-bullying-legislation-attacked-for-allowing-bullying/2011/11/05/gIQARflapM_blog.html

日米では法制が異なり,州によっても考え方に相違があるので正確に説明するのは難しいが,簡単に言えば,この法案では「信念」に基づく言動を禁止していない。そのため,「いじめ」の被害にあった子供の父兄らは,「信念に基づいていじめる行為を禁止していないじゃないか」と怒ることになったわけだ。

日本法では,信念に基づく行為であっても,事案により,名誉毀損罪,侮辱罪,脅迫罪,業務妨害罪等が成立し得ることについて異論はないと思われる。日本では,その分だけ,「言論の自由」が大きく抑圧されていることになる。

一般に,言論には常に「毒」や「副作用」のようなものが含まれており,これはヒトの生存本能に由来するものなので,全く無害な言論というものは原理的にあり得ない。しかも,違法性や有害性の評価は主観的評価なのであって,客観的基準などない。例えば,ガリレオは正しいこと(地動説)を述べたわけだが,当時の欧州のキリスト教社会では悪魔とみなされるべき危険思想であった(←ローマ法王が「地動説」を公式に認めたのは2008年12月)。

要するに,「信念に基づく言動」をどのように法的に評価すべきかについて,客観的な基準はないし,その受け止め手の反応を事前に推知する方法はないので,結局,何でも結果論として評価するしかないのかもしれない。

いずれにしても,ミシガン州の法案と同様の「いじめ禁止法案」が各国で提案されており,今後,その動向を丁寧に観察する必要がありそうだ。

 

[このブログ内の関連記事]

 米国:学校でのいじめ防止法の制定の動きが加速
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-ca1e.html

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