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2011年11月 3日 (木曜日)

Duquは,サイバー戦を発生させ,インターネット全体を荒廃させてしまうかもしれない

下記の記事が出ている。

 Duqu Worm Causing Collateral Damage in a Silent Cyber-War
 eWeek: November 2, 2011
 http://www.eweek.com/c/a/Security/Duqu-Worm-Causing-Collateral-Damage-in-a-Silent-CyberWar-782686/

 Same authors created malware that infected nuclear facilities?
 msnbc: November 2, 2011
 http://www.msnbc.msn.com/id/45136542/ns/technology_and_science-security/

かつての物理的な武器(←大陸間弾道弾等を含む。)の場合には,それを模倣して利用するためには,それなりの資金や施設・設備,人員等を要したし,そのための原料・資材等を調達する必要があった。

しかし,電子的な武器は,生物化学兵器よりも一層明らかに「貧者の武器」となり得る。優秀な頭脳さえあれば,資金ゼロで優れた電子兵器を開発することができるからだ。

しかも,そのような武器を最初に開発するのは国家であるかもしれないが,模倣することは単なる個人でも可能だ。だから,条約によってサイバー戦を禁止・抑制するという発想(←主権国家が機能することを前提とする発想)は,全く無意味になってしまっている。だから,各国の代表がロンドンに集まって何を議論し,何を決議しても,基本的に全く意味をもたない。

そもそも「戦争」の定義を根本から考え直さなければならない。いまだに私見だけの一人説だが,単なる個人がたった一人で世界を相手にしかける戦闘行為も「戦争」の一種として理解できるようにするために定義の書き換えが必要となっている。このことはこれまで何度も述べてきたので繰り返さない。

いずれにせよ,現代の社会は,まさにホッブズの「リヴァイアサン」の世界に突入してしまっているということが言えるだろう。私見である「戦時と平時が常に共存する状況」が全ての人々の目の前にある。

そのような世界になってしまった最大の原因は,他ならないStuxnetを誰かが最初に開発して使ってしたことにある。

さて,防御策だが,やはり,インターネット(TCP/IP)と無線通信を利用しないということに尽きる。そして,事務処理においては標準化と集中処理に背を向け,可能な限りガラパゴス化を推進することが望ましい。

 

[このブログ内の関連記事]

 DuquはMicrosoft Wordの既知の脆弱性を利用して感染しているようだ
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/duqumicrosoft-w.html

 Windows OSにはカーネルにDuquが感染し得る未知の重大な脆弱性がある
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/windows-osduqu-.html

 DuquはStuxnetから派生したマルウェアか?
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/duqustuxnet-5cd.html

 Stuxnet(Duqu)に汚染されている国は,イラン,インドネシア,インド?
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/stuxnetduqu-f4f.html

 Stuxnetがサイバー戦のあり方に与えた影響
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/stuxnet-97da.html

 サイバー戦(Cyberwar)を国際条約によって抑制することは可能か?
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/cyberwar-81fc.html

 サイバー戦は既にある
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-2940.html

 米国:国防省が,サイバー攻撃を「戦争行為」の一種としても位置づける
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-e6c7.html

 米国:国防省がサイバー防衛計画を拡大する見込み
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-e318.html

 米国とオーストラリアが,重大なサイバー攻撃に関しても安全保障条約に基づき相互に防衛することを合意
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-5a71.html

 サイバー戦争に対応するため,オーストラリアの国防省と米国のペンタゴンが連携
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-1555.html

 今後はオスロの事件のような「一匹狼」によるテロ攻撃が増加するおそれがあるとの見解
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-af8a.html

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