メキシコ:麻薬密売ギャングの武力抗争がネット上にも波及
下記の記事が出ている。
Mexican Narcogangs' War On Digital Media
Fast Company: October 6, 2011
http://www.fastcompany.com/1785413/narcogangs-social-media-and-21st-century-crime
密告者,ジャーナリスト,警察関係者等がネット上でトレースされ,場合によっては暗殺されてしまうという一般的なモデルの麻薬マフィア版だと言える。
ニックネームを用いていても,プロファイルがハックされると,本人識別されてしまうことがある。
それ以上に問題なのは,本人の誤認だ。もともと偽名で登録している場合には特に誤認の危険性が高まる。この場合,全く関係ないのに抗争に巻き込まれて暗殺されてしまうことがあり得る。
今後,ネット上での本人確認が進めば,このようなリスクが更に拡大することになるだろう。
韓国のようなところでは,北朝鮮の工作員による個別攻撃を容易にするという結果をもたらすことになるだろうし,他の国でも同様の結果が生じ得る。
ライバル企業の重要人物(経営者や中心的な研究者・開発者等)が暗殺のターゲットにされるということも発生し得る。
ネット上で安易に本人識別を確実に行おうとすると,このような非常に危険な結果が生ずる可能性があることを常に念頭に置いておかなければならない。
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(余談)
一般に,法律論としては,位置情報の問題はプライバシー問題の一種として扱われている。
しかし,上記のような問題が現実味を帯びてくるとなると,単にプライバシーの問題であるというだけではなく,生命・身体の安全にかかわる重大問題であることにもなる。
世界に「ハックされないサイトはない」ので,どんなに強固なセキュリティ措置を講じていても収集された位置情報がハックされる危険性が常にある。したがって,基本的には,位置情報の収集を禁止する方向で考えなければならない時代がやってきたのではないかと思われる。
「平穏な社会」だけを前提とする法理論は,まとめてゴミ箱に捨ててしまわなければならない。
基本的には,ホッブズ流に「万人の万人に対する闘争」をベースとする法理論体系へと変化させることが必要だ。
これを情報セキュリティの世界で言えば,Zero Trust ベースで考えるということになるだろう。
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