もし報道のとおりであるとすれば,日本テレビとTOKIO等は共謀して違法行為をしていることになる
下記の記事が出ている。
DASH村で土壌浄化実験 福島県浪江町
産経ニュース: 2011.9.6
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110906/ent11090607410003-n1.htm
実験のためであっても,所定の許可等を受けなければならない。
許可等を受けない状態で,放射性物質を蓄積した物質(収穫したヒマワリなど)を移動することは,違法行為となる。所定の最終処分場で処理しなければならず,それ以外の場所での保管や処分は許されない。
上記報道は,所定の許可等の有無について何も触れていないが,重要なポイントであるので,この点の記述のない報道は,報道として著しく不適正であると言える。そして,もし許可等がない状態でヒマワリの移動がなされたのであれば,報道機関は,日本テレビとTOKIOを厳しく糾弾し,一定期間社会から追放するくらいの報道をしなければ駄目だ。名誉毀損行為となることが100パーセント明らかなのに小沢氏を徹底的にいじめ続けたのと比較すれば,産経新聞にとって,それくらいのことは鼻毛を抜くよりも簡単なことだろう。
とは言っても,「自己批判をしない」という点では日本のマスコミは世界でも随一であり,中国の国営報道機関よりもひどい状態なので,私が何を言っても何もかわらないだろうと思う。
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(余談)
しばしば「極端な意見ではないか?」との意見をもらう。
私は,極端だとは思っていない。極端だと思う者の想像力の機能を営む脳のメカニズムのレベルが著しく低いだけだと信じている。
ヒマワリにしろアブラナにしろ,放射性物質を吸収する能力が高いといわれており,確証はないけれどもたぶんそうだろうと思われる。
そうであるという仮定で考えてみると,これらの植物に吸収させた放射性物質を濃縮し続ければ,素人でも殺人兵器を製造することが可能となる。
もちろん,製造者自身も被爆し,ガンで死ぬことを免れないだろうが,「自分が死んでも憎い○○を殺してやる」と思いつめている誰かにとっては自分が被爆することなど怖くも何ともない。
このように恐ろしいことを可能にしてしまう危険物質を撒き散らしてしまった東電の法的・社会的責任は重い。
原発は,全て廃止しなければならない。
[追記:2011年9月11日]
2011年9月11日7時23分時点における上記の記事には「実験はJAXAの長谷川克也研究員が番組に提案。浪江町の許可を得た7月、TOKIOの山口達也ら番組関係者は長谷川氏らと村を訪問し、ヒマワリの種を水田などにまいた。さらに一行は8月に再び村へ行き、成長したヒマワリなどを持ち帰った」と書いてある。
浪江町の町長が「立入禁止区域」への(村民以外の者の)立ち入りを認めることのできる権限を有しているかどうかは不明だが,浪江町内から浪江町外へ放射性廃棄物を持ち出すことを許可する権限を有していないことだけは明らかなので,実験全体について許可する権限を有していないということができる。つまり,今回の実験全体について,浪江町長は,許可する権限を全く有しない。浪江町長が有する権限は,最大限でも,「ダッシュ村にJAXAの研究員とテレビタレントがヒマワリの苗を植えること」を許可することまでだろうと思われる。
JAXAがダッシュ村の放射性廃棄物をどこに持ち込んだのかは不明だが,特定の場所に持ち込むことについて,権限ある者から正式の許可を受けなければならないことは明らかで,権限なく放射性廃棄物を持ち込むことは違法行為となる。移動中に他の自治体等を通過する行為等も違法行為となり得る(特に梱包が不十分・不完全で放射性廃棄物をまきっちらす結果を発生させた場合)。
放射性物質を大量に吸収したヒマワリは,もちろん放射性廃棄物の一種だ。
たしかに,この点に関する日本の法制は不十分だ。改善の余地がある。
また,抜本的には,全ての原発の所有権及び管理権を自衛隊に強制的に接収し,事故発生時の対応を含め,一元的に管理・処理できるようにすることが望ましい。民間企業が原発を管理・運営することは最初から無理なことだ。
なお,万が一,JAXAの研究員とテレビタレント等が被爆により健康被害等を発生させたときは,浪江町が損害賠償責任を負うことがあり得ることは言うまでもない。なぜなら,ヒマワリによる放射性物質の吸収実験をすることを前提に浪江町への立入を許可したのだとすれば,放射性物質を吸収したヒマワリによる何らかの被爆があり得ることを当然に予見可能であるし,そのような結果を回避することが容易(=立入を許可しない。)だからだ。
放射性物質を吸収した植物等は,一般ゴミとは全く異なる。放射性廃棄物なのだ。普通のゴミ収集と同じ程度に安易に考えることは非常に危険なことだし,決して推奨・奨励してはならない。
[追記:2011年9月15日]
農林水産省による実験の結果,ヒマワリには放射性物質を吸収する特性はないということが確認されたようだ。
ヒマワリにセシウム吸収期待できず
ナショナルジオグラフィックス: 2011年9月15日
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=00020110915001
結果的に,ダッシュ村から持ち出されたヒマワリは放射性廃棄物とは言えないものだったろうと推測されるので,もしそうであるとすれば加罰的違法性がないものとして無罪と扱うべきことになる。
ただし,現実に放射性廃棄物であるかどうかとは関係なく,仮説どおりの結果が示されるとすれば放射性廃棄物となり得るものを搬送する場合には,やはり所定の手続きを経ることを要すると解するのが正しい。
[このブログ内の関連記事]
ヒマワリには土壌の放射線除去能力があるか?
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-91e2.html
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コメント
通りすがりさん
匿名のコメントは原則として消去することにしていますが,こういうコメントがあるだろうと当然予測していたので,特別に掲載することにしました。
私が批判している対象は,よく読んでいただければおわかりのとおり,マスコミの姿勢です。
放射性廃棄物の管理・処理に関しては厳格に法律上の規制があり,素人が手を出すことは許されません。それは,公的機関が実験で実施する場合でもそうです。
そして,公的機関が実験で実施する場合でも,マスコミは,「正式に許可を受けていること」及び「一般の人は決してマネをしてはならないこと」を明確に報道しなければならないと考えています。
そうしないと,植物等によって濃縮された放射性物質によって被爆する危険性があるからです。とりわけ,放射性物質の吸収実験では,放射性物質を吸収しやすい植物が選ばれて用いられるので危険性が大となります。
まして,タレントを使って奨励するようなことは決して許されることではありません。
今回の報道では,その点に全く触れていません。そこで,タイトルも「もし報道のとおりであるとすれば」という限定文(制約条件)を付してあります。「真実は報道のとおりではなかった」とすれば,もちろん異なる結論となります。
なお,もし今回の実験で,ダッシュ村の撮影スタッフ等が被爆することがあれば,もちろん労災にはなるでしょうが,テレビ局も安全配慮義務違反として損害賠償責任を免れることはあり得ないでしょう。
以上のような趣旨です。
投稿: 夏井高人 | 2011年9月11日 (日曜日) 07時02分
リアルで通りすがりの者ですw
簡単に反論させていただきますと、
DASHでやる今回の実験については
一応国の機関も関わっているので
許可が無いわけじゃないそうですよ。
でもジャクサだったっけか?
あれって仕分けの対象だったから
お金は日テレが出してるみたいですwww
共同実験である事は
他の処の記事では明記してあったんですが。
投稿: 通りすがり | 2011年9月11日 (日曜日) 04時18分