地震への備えに関する報道には首をかしげるものがある
テレビ各局とも首都直下地震の発生を想定し,食料の備蓄などと関連する報道をする機会が増えているようだ。
それ自体は良いことだと思う。
私の体験によれば,現実に地震が起きると流通が止まり,店舗からたちまち商品が消え去ってしまうので,地震が起きてからでは遅すぎる。普段から備蓄につとめる必要があり,何も問題がなく豊富に商品が流通している間に必要なものを購入して備蓄をしておかないと駄目だ。
では,いったい何を購入したらよいのか?
この点では,テレビに出てくる「専門家」等にはあまりにもトンチンカンな人が多すぎて,笑う気にもなれなくなってしまうことが多すぎる。現実に災害が発生すると,最低限のこともできなくなってしまう可能性が高い。そのことを想定した準備が必要なのに,まるでわかっていない「お嬢様」や「お坊ちゃん」ばかりというのが率直な感想だ。
テレビでの推奨品には無視すべきものが多過ぎる。
本当の必備品は,下記のとおり
1:ペットボトル等に入った水 (水さえあれば数日は生き延びることができる)
2:乾パン,乾燥肉等のそのまま食べられる保存食品(現実には調理・加温などできない)
3:小型の携帯ラジオ(テレビ,電話等は一切使えなくなる。ラジオが唯一の情報源)
4:懐中電灯(停電のため夜間は真っ暗となる)
5:ビニールシート等(衣服の交換ができないのに雨や雪もある)
以上のようなものを確保できれば,サバイバルの確率は格段と高まる。現実には,あわてて家を飛び出すことになるし,家が倒壊してしまうこともあるので,せっかく用意してあったものを利用できなくなることが多いと想定されるが,運がよければ用意しておいたものを利用することができるだろう。
以上の1~5が確保されているという前提で,もし余裕があれば,下記のものも用意してあるとベターだろう。
6:家庭用医薬品(腹痛や消化不良等が必至だ。怪我も必ずある。)
7:使い捨てマスク(震災後はしばらくの間粉塵まみれになる)
8:木炭(燃料としても,水の濾過用としても,消臭剤としても使える)
9:ゴミ袋(万能であり,最悪の場合には簡易トイレとしても利用できる。水洗トイレは基本的に機能停止となる。)
10:地図(必要に迫られるまでは意外と何も知らないことが多い)
11:大判の使い捨てウェットタオルなど(水道が使えないので洗顔等は一切できない)
以上のような感じだ。
運が良ければ,レトルト食品や家庭用ガスコンロなどで調理可能な食品を利用することができるかもしれないが,あまり期待しないほうが良い。少なくとも,停電が必ずあるから,冷蔵・冷凍を要する食品や生鮮食品等は全部完全に駄目になると想定するのが正しい。
そして,最も大事なことは,子供のいる家庭では,以上のようなものしかない生活を数日~1週間くらい送ることになるかもしれないということを子供たちに事前にちゃんと理解させておくことだ。そして,好き嫌いのある子供は徹底的に矯正し,サバイバルのためには何でも食べられるように訓練しておかなければならない。現実には,わがままなど何も通らない状態になる。
加えて,いざとなると歩けないし走ることもできないことが珍しくない。普段から筋肉を鍛え,体力を蓄積するように心がけていないと駄目だ。
要するに,普段から無駄と贅沢を避け,清貧と勤勉を基本とする生活をすればよろしい。
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