ソフトバンクの商業宣伝広告批判
なぜ「父親」だけが犬なのか?
これだけで怒らない人がいるとすれば,相当に感性が鈍磨している人だと言える。
差別的広告はやめるべきだ。
世界には,イヌを食用にする人々がいる。私はイルカ漁を嫌悪するような偏狭な考えはないので,それぞれの国の食文化を尊重したい。
しかし,食用にする文化をもつ人々に属する者が経営者となっている企業が,犬を用いた商業宣伝広告をするとなると話は別だ。蔑視の表現となるからだ。
しかも,俗説では,赤犬の肉のほうが白犬の肉よりも美味しく,白犬は役にたたないとのことだ。真偽のほどは知らない。しかし,もし本当にそうであるとすれば,ますますもって侮蔑的表現だと言える。
ソフトバンクが日本企業であるというのであるならば,直ちに,この種の商業宣伝広告をすべてやめるべきだと思う。
様々な家庭のスタイルがあり得ると思うが,父親が一家の柱となっている家庭がかなり多数存在する。父親の存在を馬鹿にするような商業宣伝広告は,世の父親すべてに対するひどい侮辱行為であり,そのことだけで「有害情報」の一種だと断定する。
*************************************
(余談)
韓国人は,独自の伝統を重んじ,子が親に孝養を尽くすことを美徳として誇りにする民族だと聞いている。
実際のところは全く知らないのだが,韓国の教養ある人々には確かに礼儀ただしさや礼節を大事にするところがあると感ずることがある。韓国の人でも無教養な人や卑しい心の持ち主の場合には必ずしもそうではない。これが,現実に韓国の人々と接したことのある経験から得てきた率直な感想だ。
「衣食足りて礼節を知る」というのは,どの国でも同じらしい。
しかし,どんなに金満家であっても心の豊かでない軽蔑すべき人もいるし,どんなに貧乏でも高潔で尊敬に値する人もあるので,一般論と個別具体的な事例とは必ずしも一致するとは限らない。
さて,「犬」のコマーシャルだが,韓国のタレントを使って同じようなコマーシャルを制作し,韓国で放映しようとした場合,何もトラブルなく済ませることができるだろうか?
私の最大の関心事はそこにある。
もし抗議の嵐になるとすれば,やはり韓国人は伝統と文化を大事にする立派な人々だということになる。
逆に何も起きないとすれば,韓国人の美徳とされているものは幻想の一種に過ぎないということを韓国人自らが証明することになる。
他方で,日本のコマーシャルについて,韓国人がどう思うかも知りたい。
「これはひどい」という意見が多いのであれば,やはり韓国人には立派な人が多いということになるだろう。
「日本人なら犬として扱っても良い」という反応が多いのであれば,いわゆるネトウヨがしばしば主張(批判または非難)しているようなことが本当に正しいということを韓国人自らが証明してみせたことになるだろう。
いずれの場合でも非常に興味深い考察結果を得ることができるだろうと思っている。
[参考]
電通の正体-マスコミ最大のタブー
週刊金曜日取材班
金曜日; 増補版 (2006/09)
ISBN-13: 978-4906605187
*************************************
(余談2)
「ソフトバンクのコマーシャルを攻撃する者はauの手先だ」という説がある。
そういう人もいるのかもしれないが,全く知らない。
私は,最初の携帯電話から現在使っているものまで一貫してdocomoを利用している。性能が良いとは思われないが,電波を使えるエリアが圧倒的に広いからだ。auやソフトバンクは,大都市以外の地域では基本的に使い物にならない。
また,ソフトバンクのコマーシャルを批判する者は「単なる犬嫌い」ではないかとの説もある。
たしかにそうかもしれないが,よくわからない。
私は,子供のころ,白い和犬(雑種)を飼っていたことがある。とても可愛がってやったので,愛犬家と言えるだろうと思う。仕事に就いてからは転勤等があって,とても犬を飼えるような状態ではなくなったので,飼っていない。
[追記:2011年9月16日]
関連記事を追加する。
New S.Africa wrestles with its old struggle songs
REUTERS: Sep 14, 2011
http://af.reuters.com/article/topNews/idAFJOE78D0KW20110914
「白人は犬だ」という歌詞を含む歌は人種差別を助長するものであるとして禁止する判決が出されたようだ。
| 固定リンク
コメント