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2011年8月 7日 (日曜日)

経済産業省:「サイバーセキュリティと経済 研究会」中間とりまとめ

経済産業省のサイトで下記の報告書が公表されている。

 「サイバーセキュリティと経済 研究会」中間とりまとめの公表~自律的で弾力的かつ頑強な情報セキュリティを実現する政策~
 経済産業省: 2011年8月5日
 http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110805006/20110805006.html

ざっと読んでみた。

違和感を覚える。

この報告書における知見が前提としているのは,「サイバー攻撃の高度化・深刻化」というとらえかただ。

一般的には正しい。

しかし,事柄の本質というか本当のことを知っている人間からすると,「うそつき」と言いたくなることだろうと思う。

現在と同程度の深刻度のインシデントは以前からずっとあった。しかし,企業も政府もひた隠しに隠し続けてきたため,世間の目に触れることがなかった。

昨今のハッカーグループなどが積極的に秘密暴露の方向に走るのは,そのことに苛立っているからだろうと思う。

すべて情報公開すべきだ。

情報公開しなければ,更に多くの機密情報が暴露され続けることになるだろう。何しろほとんど全て奪われ終わっているのであり,あとは誰かがそれをネット上で公表してしまうかどうかという違いしかない。

ただし,もしすべて情報公開すれば,「安心・安全なシステムなどない」という誰でも知っている当たり前のことが明らかにされる。

そのような認識の上で,情報セキュリティの基本政策が構築されなければならない。

そうでなければ,結局,これまでと同じことが繰り返されるだけだ。

もっとも,何らかの事業予算を得るという目的のためにこのような研究会などが開催されるのであれば,問題の解決を目的としているのではないので,繰り返しになることは当然の前提ということになるのだろう。

単なる免罪符の一種に過ぎない。

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(余談)

ちょっと激辛すぎるのではないかとの意見もあるかもしれない。

しかし,(1)既存のデータは完全に守られている,(2)組織は健全である,(3)組織のトップは「悪」ではないという前提で書かれている限り,現在の状況には全く対応していないと評価せざるを得ない。

つまり,(1)既存のデータは全て完全にハックされており,守っても意味がないし,これからもハックされる,(2)組織は不健全で機能しない,(3)組織のトップが最大悪である,という前提でも機能するような国家的仕組みを考えるのが国の責務というべきものだと考える。

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