稀に手指の指紋のない者がいるらしい
下記の記事が出ている。
DNA変異で先天的に指紋欠如
ナショナルジオグラフィック: August 10, 2011
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110810001
化学薬品等により指紋を消去してしまったり,樹脂製のキャップをかぶせることにより異なる指紋のように見せかけることは古くから行われており,特にスパイの世界では完全に常識の一部となっているかもしれない。
上記の記事で紹介されているのは,そのように人為的に指紋を変化させた場合ではなく,先天的に指紋なない事例のようだ。
銀行等では「指紋認証」が導入されているところがある。
現在のところ強制的ではないと理解している。
しかし,先天的に指紋のない者が存在するところからすれば,もし指紋認証を強制すれば,指紋のない者に対する差別(人権侵害)ということになり得るだろう。
[追記:2011年8月14日]
この記事を書いた後,指紋認証(fingerprint verification)だけではなく,静脈認証についても調べてみた。
後天的な血流障害等の発生により,認証できなくなってしまうことがあるようだ。特に血流障害の部位が変化する症例では,対象データを確定できないので,原理的に認証不可能となる。
また,指紋認証にしても静脈認証にしても,何らかの原因で掌や指に欠損のある者について適用することは物理的に不可能だ。したがって,どちらの場合でも,それを強制することは,人権侵害(差別)となる。
私は,現実に,火傷その他の事故により手首から先に欠損のある人を何人か知っている。
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コメント
moriさん
基本的に見知らぬ匿名の方には御返事しないことにしております。
調べればすぐわかることですので,ご自身でお調べください。
投稿: 夏井高人 | 2011年8月14日 (日曜日) 22時18分
> 銀行等では「指紋認証」が導入されているところがある。
どこの銀行でしょうか?
投稿: mori | 2011年8月14日 (日曜日) 19時29分