サイバー犯罪が増加すると,銀行が中小企業とは取引しなくなるとの警告
下記の記事が出ている。これは読みごたえがある。
Computer Hackers Take $1 Billion as Banks Blame Clients
Bloomberg: Aug 5, 2011
http://www.bloomberg.com/news/2011-08-04/hackers-take-1-billion-a-year-from-company-accounts-banks-won-t-indemnify.html
要するに,セキュリティのレベルの低い組織と取引することによるロスがあまりにも巨額過ぎるので,そもそも取引しなくなるということのようだ。米国では,現実にそのような傾向があるらしい。
正論からすれば,情報セキュリティのための支出を増やせば良いということになるはずなのだが,結局は費用対効果によって全てが判断されてしまうことになるので,リスクの大きい取引類型をそもそも消去してしまえばリスクを大幅に減少させることができると考えるのが普通の銀行経営者というものだろう。
かくして,サイバー犯罪は,単にシステムを守るという意味での情報セキュリティの問題だけにとどまることなく,社会全体の安定性を揺るがす方向へと機能することになる。
企業が金儲けのために安っぽいソリューションを売りまくってきたツケが回ってきたと理解することも可能だろう。
どちらにしても,ネットバンキングは終焉を迎えることになるかもしれない。
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