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2011年8月 3日 (水曜日)

歴史の教科書は書き換えられなければならないかもしれない

幕末に薩長軍が勝利をおさめた原因,そして,古代に末法思想が広がった原因について,地震の影響をまじめに検討すべきことは既に書いた。

 地震と歴史
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-6e59.html

若いときから律令制国家が崩壊した原因について,歴史の教科書に書いてあることが納得できず,ずっと考えてきたのだが,どうも巨大地震と関連付けて考えると説明がつくかもしれないと考えるようになってきた。

要するに,日本式律令制度という高度かつ精緻に発達した国家規模での単純再生産システムが,何年にも及ぶ巨大地震の連発により,そのインフラ部分が物理的に破壊されてしまった結果,当時の国家予算では修復不可能な状態となり,破綻するに至ったのではないかという仮説だ。

もし巨大地震が連発して発生しなかったとすれば,各地の荘園が衰退したり武士が台頭したりすることもなかっただろうし,地方からの税等の納入が滞ることもなかっただろう。

それから約100年をかけて,ボロボロになった地方荘園などを支配する小豪族が形成されるようになり,武家の時代になったのだろう。

さて,現代の日本はどうだろうか?

外形としての表現形式は異なっているけれども,本質的には同じではないかと思う。

ちなみに,古代のクレタ文明が滅んだ理由も天災によるものだと考えられている。

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(余談)

司馬遷の『史記』によれば,大地震が発生した後,民心が乱れ,世情不安定となって,帝国が滅びるという例が多々あったようだ。

当時は,「天命」というものによってそれを説明した。

さて,私自身,『史記』の中に地震の話題が出てくると,1発ドカンと巨大な地震が来て,あとは小さな余震が続くという程度のものとして理解していたことを否定しない。

しかし,現在の日本の状況を考えると,かなり大きな地震が何年にもわたって継続し,帝国内の主要都市を次々と破壊してしまうといった状況があった可能性もある。

もしそうであるとすれば,民心が不安定になるのは当然のことだし,軍を統制することも極めて難しくなるだろうと思う。結果として,帝国が滅びるのは必然ということになる。

さて,現代の中国人は,「地震」というものをどう考えているだろうか?

四川等で大地震があっても報道がかなり制限されていて,実際のところがよくわからないだろうから,地震のイメージとして,「1発ドカンときておしまい」タイプの発想しかもてないかもしれない。

しかし,仮に,中国でもかなり大きな地震が数年にわたり頻発することがあり得るとすれば,日本と同じような状況が発生し得る。

中国の人民は,そのように想像力をはたらかせることができるだろうか?

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