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2011年8月25日 (木曜日)

クジラに関する考え方

このブログでは,危機管理に関連する事項の一つとして,クジラやイルカ等の漂着事例を見つけたらメモしている。その記事には,「クジラ」というタグをつけてある。

クジラの漂着が地震発生と関係しているかどうかについては,まだ仮説の域を出ていない。

そのことから,「地震があったので,あわててクジラ漂着の報道を追いかける馬鹿」とか「クジラが死ねば漂着するのは自然なことで地震とは関係ない」といった冷笑的な批判もある。ある意味で,この批判は当たっているだろうと思う。特に後者はそうで,地震と関係なく,一定数の海棲哺乳類が死ぬので,その死体は世界中のどこかの海岸に常に打ち上げられ続けてきたことだろうし,今後もそうだろう。そのような例は,地震とは全く関係のない,普通の自然の営みの一部だ。

しかし,これまでのところ,クジラなどの漂着事例について網羅的なデータベースが存在しなかったことも事実だ。

クジラ等が自然に死んだ場合,理論的には,クジラの生息地に近いところであれば一定数の漂着事例が常にあるはずなのだが,本当にそうなのかどうかを誰も確認していない。

他方で,多数のクジラ等が同時に漂着する事例や,あるいは,個体数が1または少数であっても比較的短期間に頻繁に漂着するような事例については,通常の死亡原因とは異なる死亡原因を疑うべき合理性があるように思われる。

その死亡原因の中には,放射性物質,工場排水,毒物,特殊なホルモン物質,その他の海洋汚染物質が含まれ得るし,また,寄生虫や病原菌等の繁殖も含まれる。おそらく,そのような例が多いと思われ,それはそれで大きな問題だ。しかし,地震(電磁波異常)の可能性を排除しなければならないという論拠にはならない。理論的な意味での可能性の一つとして頭のどこかに置いておくことは必要ではないかと思われる。

いずれにしても,すべては,可能な限り網羅的にデータを収集し,検討・考察することから始まる。

それが自然科学的な発想の仕方というものであり,データの収集・検証・考察も何もせずに頭から「無意味だ」と決め付けることは,少なくとも自然科学的な思考とは言えない。

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