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2011年8月18日 (木曜日)

パブリッククラウド内の仮想サーバ上に利用者が記録したデータは誰のものか?

下記の記事が出ている。

 Cloud Data Ownership: 'Onus Is On Cloud Providers'
 CRN: Augst 17, 2011
 http://www.crn.com/news/cloud/231500081/cloud-data-ownership-onus-is-on-cloud-providers.htm;jsessionid=xG4LHprdLWP3hClSD+0PWA**.ecappj02

このブログでずっと指摘してきた法的課題ばかりなので,法理論的には新味がないが,記事中で引用されているベンダの事例が目をひいた。

このベンダは,そこが提供するパブリッククラウド上に利用者が記録したデータについて,複製や配布などの二次的利用をする権利を有するという内容の利用契約条件を示しているらしい。要するに,利用者が保有するデータについて機密性の保持を放棄したのと同じことだというだけではなく,いわば公然と略奪することを宣言していることにもなるだろう。

しかし,このような例は,決して珍しいものではない。

ソーシャルメディアなどでも,そのシステム内に利用者が記録したデータ等について二次的利用の権利を有すること(←二次的著作物についての著作権の保有を含む。)を明らかにしているベンダが決して少なくない。

まあ,要するに,もし自分の権利を守ろうとするのであれば,ネットを利用しないことだ。それに尽きる。

それにしても,「世界中,この世に生まれてこかなったほうがよいくらいとてつもなく頭の悪い人しかいないのじゃないか?」と思いたくなってしまうくらい,誰もかれもが問題点に気づくのが遅すぎる。問題点に気づくのが遅いから,正しい解決策を考察するのも遅くなってしまう。

私のような能力のない凡々たる者でさえ,もう何年も前から問題点に気づき,このブログで指摘し続けているというのに!

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