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2011年8月 4日 (木曜日)

英国:セラフィールドのMOX燃料再処理工場が閉鎖

下記の記事が出ている。

 Sellafield Mox nuclear fuel plant to close
 Guardian: 3 August 2011
 http://www.guardian.co.uk/environment/2011/aug/03/sellafield-mox-plant-close

 Sellafield's MOX fuel plant to shut
 Independent: 3 August 2011
 http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/sellafields-mox-fuel-plant-to-shut-2331117.html

この工場は,日本から依頼される原子力燃料の再処理が受注の100パーセントを占めている。

報道によれば,福島原発事故及び浜岡原発の停止により,今後の受注見込みがなくなってしまったことから,閉鎖に至ったとされている。

しかし,私は,別の見解をもっている。

それは,「損害賠償責任を免れるため」という見解だ。

日本の原発事故による被爆の損害賠償責任は,当然に,(共同不法行為として)英国の再処理工場にも及ぶ。そして,民事訴訟法の改正等により,不法行為に基づく損害賠償請求訴訟は日本国の裁判所でも提起することができるから,英国の企業が日本の裁判所の判決によって損害賠償責任を負わされる可能性はあり得る。

ところが,損害賠償請求訴訟が提起される前に,企業を清算して消滅させてしまえば,損害賠償責任を負う法的主体(法人格主体)が存在しないことになり,損害賠償請求訴訟が最初から成立しないことになる。

目ざとい経営者であれば,訴訟が本格化する前に,会社を消滅させることを当然検討するはずだ。

以上のように考える。

なお,逆の場合もあり得る。例えば,中国で稼働している東芝製の原発が事故を起こした場合,中国の裁判所は,東芝に対して中国人民が被った損害を賠償すべしとの判決をすることになるだろう。この場合,損害賠償額がとてつもなく巨額なものとなることが想定される。そして,東芝は絶対に弁償しきれないだろうから,会社を消滅・清算させる以外に責任を免れる方法はない。ただし,日本の会社法では,取締役としての損害賠償責任は残るから,もし中国の裁判所が取締役としての損害賠償責任を認める判決をした場合,個人としての責任を免れる方法はない(自然人としての取締役が法人格を消滅させる手段は,自殺しか残されていない。遺族は,相続放棄によって損害賠償責任の相続を免れることができる。)。

ちなみに,再処理の委託先が消滅したのだから,日本の核燃料サイクル(プルサーマル)計画は,同時に,実行不能状態に陥ったと理解すべきだろう。

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