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2011年8月 6日 (土曜日)

核兵器廃絶を進めるとどうなるか?

もしろん,原発利用・輸出の拡大圧力が高まるし,脱原発に対する弾圧も強まる。

なぜなら,核兵器は通常兵器と異なり,処分場で爆破して終わりということにはならず,核弾頭から取り出したウラニウムやプルトニウムなどを安全に管理し続けなければならないのだが,核兵器保有国の国内には真の意味での最終処分場が十分確保されていないし,自国内には持ちたくないので,原発という名の保管場所を海外に求めるしかなくなるからだ。

原発をもつ国は,国民を被爆させるわけにはいかないので,どれだけ多額の国家予算を費やしてでも原発を守ろうとする。もしそのコストを核保有国が自分だけで負担するとすれば,国家財政がたった1年で完全に破綻してしまうことになるだろう。他国に分散してそのコスト負担をさせるというとてもすばらしいアイデアだ。

また,原発輸出国と輸入国との間で戦争状態が発生した場合には,輸出した原発を通常兵器で攻撃することにより,核弾頭を用いなくても核攻撃をしかけたのと同じ効果をあげることができることから,輸入国は輸出国に対して絶対にはむかわないという状態をつくりだすことができる。このような連鎖を順番につくりあげることによって,世界中を恐怖で支配し,もともとの輸出国との間で戦争状態が発生しないようにすることができるだろう。

米国が主張する「原発利用は核拡散の防止に役立つ」という主張は,このようなことを意味している。

日本経済新聞などでは,以上のようなことをちゃんと伝えることなく,某米国人のゆがんだ談話(←日本が脱原発に走らないように圧力をかけるのが目的と推定される。)を平気で掲載している。

世の中には,嘘つきがあまりにも多すぎる。

しかし,地球の地殻は,人間によってコントロール可能なものではない。

また,世界の政治情勢はそんなに安定したものではない。

しかも,米国でさえデフォルト寸前の状態が継続していることからも理解できるように,世界各国の財政能力は著しく低下しており,今後,原発の安全性を維持するために必要な国庫負担を継続できるかどうかについては,かなり疑わしい。

かくして,人類が原子力によって滅亡することは疑うべき余地がない。

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(余談)

福島第一原発から漏れ出した放射性物質は,海流に乗り,数年をかけてハワイ州に達し,そして,米国西海岸に達する。そして,更に海流に乗り,最終的にはハワイ州と米国西海岸との間に位置する北太平洋西部海域で滞留し続けることになる。つまり,この海域でとれた魚介類はすべて食べられなくなってしまう。その放射能は,食物連鎖によって大型の魚類や海洋哺乳類に濃縮蓄積されるから,放射能が原因となってこれらの大型生物が絶滅してしまう危険性はある。

最悪の場合,これらの地域では人が住めなくなる危険性がある。

もともと米国がまいた種を自分で刈り取ることになるわけだ。

日本の大規模な地殻変動は,今後も続くだろう。そして,間違いなく第二の福島第一原発が誕生する。

その結果,日本人が死滅する可能性があることは当然のこととして,日本のみならず,最終的に米国が放射能汚染される確率がどんどん高まることになる。

このことは,日本だけではなく,中国,韓国,台湾,東南アジア諸国でも全く同じなので,この地域における原発利用を促進すればするほど米国が放射能汚染される危険性がどんどん高まることになるだろう。とりわけ,中国の内陸部で爆発事故が発生した場合,ジェット気流に乗った放射性物質が信じられないくらいの速度で北半球全体を汚染することになるだろう。

つまり,放射性物質を世界に分散させ,各国にコスト負担させるという国際政治上の政策は,地球の地殻構造に関する簡単な知識さえもたない大馬鹿者が考え出した愚作中の愚作と評価するしかない。

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