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2011年8月 9日 (火曜日)

血液型人間学?

下記の記事が出ている。

 「血液型番組は差別」に反発、血液型人間学研究家がBPOを提訴
 産経ニュース: 2011.8.8
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110808/trl11080822490008-n1.htm

「ABOの組み合わせ血液型によって性格が異なる」と信ずるかどうかは各人の自由だ。

しかし,血液型によって組織内の人事などを含め社会生活上の不利益等を受けるようであれば,もちろん「差別」として人権侵害となり得る。

なぜなら,「ABOの組み合わせだけで全てが決定される」という理論それ自体に合理性がなく,これまでの幾多の実証実験でも全て否定されてきたからだ。

もともと旧日本軍が考え出したもので,最強の部隊を構成するには血液型に基づいて兵隊を配置すれば良いのではないかとの仮説に基づき,様々なことが試みられたのだが,いずれも有意な関係は存在しないとして否定された。公式の記録も残っているとのことだ。戦後,某女性雑誌の記者が,前提となっている仮説だけを聞きつけ,結論の部分(つまり関係ないということ)は隠して,おもしろおかしく女性雑誌に書いたのが,この血液型性格判断のはじまりということらしい。

私としては,「血液型は何ですか?」と尋ねられると強い不快感を覚える。

一般理論を述べるだけならいざ知らず,現実の特定の個人に対して,血液型だけに基づいて「この人はこういう性格だ」と勝手に決め付けることは,極めて失礼なことであり,場合によっては名誉毀損を構成することがある。

上記の記事にある慰謝料請求等は,絶対に認められない。世界中のどこの裁判所で訴訟を提起しても,結論は変わらない。

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