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2011年8月21日 (日曜日)

HPがPCやスマートフォンの製造・販売をやめ,ソフトウェア会社に変身?

下記の記事が出ている。

 Hewlett-Packard shares fall 20% on bid for Autonomy
 BBC: 19 August 2011
 http://www.bbc.co.uk/news/business-14598006

 What does HP's PC purge mean for computer users?
 Guardian: 19 August 2011
 http://www.guardian.co.uk/technology/2011/aug/19/hp-pc-group-spinoff-implications

 As PCs Wane, Companies Look to Tablets
 New York Times: August 19, 2011
 http://www.nytimes.com/2011/08/20/technology/as-pcs-wane-companies-look-to-tablets.html

おそらく,ストレージサービスやホスティングサービスではなく本来の意味でのSaaS型やPaaS型のパブリッククラウドが主流になる時代では,PCが消滅し,モバイル端末も単なる受信装置になってしまうという理解で,経営戦略を変更したのだろうと思う。仮にこの考え方が正しいとすれば,パブリッククラウド上で提供されるアプリケーションの質と量が勝負の要ということになるだろう。

しかし,HPが一体何で稼いでいる会社かというと,それは,プリンタ用のインクだ。これまで何度も独占禁止法違反の疑いで調査を受けているほど高価なプリンタインクで食っている会社なのだ(←この点は,Canonも同じ。)。そして,それは,HP製のプリンタというハードウェアに依存したものでなければビジネスが成立しない。このプリンタというハードウェアは,単なる印刷機ではない。通信機能を備えた高性能PCの一種として理解することができる。仮にこのような理解が正しいとした場合,PCやモバイルというハードウェアの製造・販売をやめてしまうことは,会社全体としての製品開発能力を低下させることになり,最終的にはプリンタ事業の撤退を帰結することになるかもしれない。

同様に,サーバ用のブレード開発能力も低下するかもしれない。

私の理解では,ネットワークベースでのパブリッククラウドの利用は,そんなに普及しないし,利益をあげることもできないだろうと思っている。

あるソフトウェアを利用するために,どうして通信接続し,高額の通信料金を支払わなければならないのだろうか?

誰でもいつかこの疑問に到達することだろう。

電力会社による大量の電力供給を大前提とする「オール電化」政策により,電気中毒にさせられ,いやでも原発に依存しなければならないようにさせられてしまっている日本人の姿を想像すれば,一体何が本質であるのかを理解することができるのではないかと思う。

[追記:2011年8月23日]

関連記事を追加する。

 HP PC review 'to be finished in eight to 12 weeks'
 Guardian: 23 August 2011
 http://www.guardian.co.uk/technology/2011/aug/23/hp-pc-division-webos-developers

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