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2011年8月 2日 (火曜日)

Hi-netの過去の地震における最大振幅分布図

Hi-netには次のような機能がある。

 過去の地震における最大振幅分布図
 http://www.hinet.bosai.go.jp/AQUA/max_amp.php

アニメーションをクリックしてみると,振動が震源から遠くへとどのように移動したかを見せてくれる。

これを見るとすぐに理解できることなのだが,日本の地殻は均一ではない。あまり揺れないところと,どこが震源地でも比較的大きく揺れるところとがある。

それが断層と呼ばれるものかどうかは別として,地殻に脆弱な部分が多い地域では揺れが大きくなるのだろう。

地殻構造の解析にためには,精密な測定機器を用い,ダイナマイトを爆発させて測定する手法が一般に用いられている。しかし,上記のような揺れの規則性を数学的に解析してみると,マクロなレベルで地殻が脆弱な地域とそうでない地域とを色分けするような研究成果を出すことができるのではないかと思う。なぜなら,本物の地震とその振動を測定することは,(理論的には)ダイナマイトではなく地下核実験を実行し,その振動の伝達を測定するのと同じことになるから,より広範囲での地殻構造推定の資料として使えるはずだと考えられるからだ。

そして,そのような研究成果は,単にこれまで知られていなかった断層の存在を推定させ得るものだというだけではなく,地域毎に耐震基準を設定可能な状態を成立させ得る。

加えて,従来のような「線」としてとらえる活断層の発見のような研究姿勢から,ある一定の広がりをもった地殻属性のような考え方へと地質学や地震学などの主流を変化させることができるかもしれない。活断層にこだわる研究姿勢は,実は,原発設置促進のために意図的に構築されてきたものだ(←「活断層がないから安全」という結論をひきだすための恣意的な研究姿勢という趣旨。)。そのような学問のゆがみやひずみは矯正されなければならない。地表で観察可能な活断層が存在するかどうかは偶然の結果に過ぎない。大事なところは,ある一定の広がりをもった地域の地殻属性として,脆弱と言えるか言えないかに尽きると思われる。

その成果は非常に有用だと考えられる。

例えば,予算の適正な執行に資するとことが大きい。厳重な対策が必要なところではお金をかけて十分な対策を講ずるべきだろう。日本国の財政がひどい状態になっている以上,重点的にお金をかけるべき場所を選択せざるを得ないから,上記のような研究は非常に大事だと考える。

もしその分野の研究者がこのブログの読者であるならば,是非とも研究してもらいたいものだと思う。

残念ながら,私自身はその分野の専門家ではないし,数学に強いわけでもない。

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