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2011年8月14日 (日曜日)

Amazon のKindleによる電子ブックビジネスの実際

ニューヨークタイムズを読んでいたら,面白い記事を見つけた。

 Amazon Cracks Down on Some E-Book 'Publishers'
 New York Times: August 12, 2011
 http://bits.blogs.nytimes.com/2011/08/12/amazon-cracks-down-on-some-e-book-publishers/

売れっ子の作家でも,先週の売り上げは165冊ということだ。

そして,違法な電子ブック探しとその破棄の実情についても書いてある。なかなか大変そうだ。

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(余談)

私自身は,まだ電子ブックによる出版にまで踏み込んでいない。

なぜなら,出版社から電子出版する場合,出版社の取り分が異常に高いと思われるからだ。流通経費がかかっていないのだから,本来50パーセント以上が印税(著者収入)でも構わないはずだ。しかし,そうなっていない。現在のレートでの出版社の所得は「暴利」であると言える。つまり,価格設定それ自体が公序良俗に反するものだと言えるだろうと思われる。

次に,電子出版システムの著作権・特許の健全性を検証する方法がない。これらが第三者の著作権または特許権を侵害している場合,すべてストップする。また,その侵害システムを利用して出版した者も(法律構成については様々なあり得ると思うが)著作権侵害または特許権侵害について共同不法行為者となる。だから,完全に適法なシステムを利用するのでなければ,危ない。しかしながら,検証方法がない以上,安心して利用することができない。この問題は,SaaSやPaaSに一般的に共通する問題のひとつの現われに過ぎないのだが,現時点ではまだ明確に認識されているとはいえない問題のひとつだ。

その他諸々ある。(誰も聴きにこないので教えない。)

そういうわけで,まだまだ調査中という段階なのだが,目下,私が一番興味をもっているのは,「ペイする読者が存在するか?」という問題だ。市場調査の一種と言っても良い。

暫定的な結論としては,ある種の分野を除いては,ないのではないかと思う。

次に,「著作権を守りきることができるか?」という問題がある。様々な方法を試みている。

これまた,暫定的な結論としては,あるタイプのコンテンツを除き,ないのではないかと思う。

つまり,かなり限定された領域を除いては,ビジネスそれ自体が成立しない可能性がある。

更に調査・検討を進めたい。

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