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2011年8月22日 (月曜日)

東北地方で6000年に6回巨大津波が襲来した痕跡が発見されたようだ

下記の記事が出ている。

 気仙沼 6千年で6回の巨大津波 北大教授ら痕跡発見
 産経ニュース: 2011.8.22
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110822/dst11082212210012-n1.htm

このような研究は,結構以前からなされていたようだ。しかし,なぜか予算がつきにくかった。産業政策にとってネガティブな影響を与える可能性のある研究や研究者は,事実上弾圧され続けてきたと言って良い。

大震災が現実に発生したので,少しは研究しやすくなったのだろう。

このような研究環境が続いてほしい。

私は,本当は,東京や大阪といった超過密都市における先史時代の巨大津波の痕跡を探す研究が最も重要ではないかと思っている。しかし,あまりよい研究成果がない。現時点でも「不安をあおる」という理由で,抑制されているのかもしれないと疑いたくなる。

現実に発生した東北大震災は,とんでもない物的・人的被害をもたらした。しかし,冷静に考えてほしいのだが,今回の被災地は,東京のような超巨大都市と比較すれば,全く問題にならないくらいの小規模な市町村ばかりであり,その中にはいわゆる過疎地が多く含まれている。しかも,東京と全く違って,津波に対する対策や避難訓練等も一応なされていた。それでも,これだけ大きな被害が発生したということを忘れてはならない。

東京に住む人は,巨大津波が来るかもしれないということを想像することも理解することもできないだろう。

しかし,もし東京を巨大津波が襲えば,誰も復旧支援をすることができないくらいとんでもない被害が発生することは確実だ。

仮に巨大津波による水死の確率を3分の1と仮定した場合,人口3000人の市町村では約1000人が犠牲となり得ることになるが,人口1200万人の大都市では約400万人の命が奪われてしまうかもしれないという計算となる。

もちろん,可能性は可能性に過ぎないので,科学ではない。

しかし,先史時代の遺物を探ることによって,「何を考えたらよいのか」「何をしたらよいのか」について,より確実な知見を得ることができるだろう。

私有地の場合には所有権に対する侵害という問題があるが,東京には幸いなことに公有地が結構たくさんある。公有地を中心に掘削し,サンプルを集め,検討してみたらよいのではないかと思う。

ちなみに,東京及びその周辺での地震発生が増加し続けている。

 気象庁
 http://www.jma.go.jp/jp/quake/3/20110821013011391-210126.html

 Hi-net
 http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/

[追記:2011年9月6日]

関連記事を追加する。

 東北沖のM9級地震、最短で260年間隔 東北大が試算
 日本経済新聞: 2011/9/5
 http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E2E7E2E19C8DE2E7E2EBE0E2E3E39180EAE2E2E2

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