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2011年7月25日 (月曜日)

スマートフォン上のゲームアプリに関する特許紛争が他のゲームベンダにも大幅拡大しそうだ

下記の記事が出ている。

 Angry Birds maker Rovio sued by Lodsys as US software patents multiply
 Guardian: 22 July, 2011
 http://www.guardian.co.uk/technology/2011/jul/22/angry-birds-maker-rovio-sued-by-lodsys

おそらく,日本のゲームアプリ(モバゲーなどを含む。)の中で,被告とされる可能性が全くないベンダは存在しないのではないかと思う。

もし差止請求(仮処分を含む。)が認められた場合,世界中でそのゲームが利用できなくなるという事態が発生する。

ゲームなので「娯楽じゃないか」と思う人が多いかもしれない。しかし,要するにソフトウェア特許の事件なので,どのようなソフトウェアでも同じような紛争が発生し得る。

今後は,ビジネス向けアプリケーションでは同じようなことが発生する可能性がある。とりわけ,SaaSで提供されるアプリケーションサービスでは,完全な独自開発などあり得ないので,何らかのかたちで特許紛争に巻き込まれる可能性が非常に高い。この場合,SaaSの利用者である企業全部が一斉に業務遂行不能の状態に陥る危険性がある(ちなみに,パブリッククラウド環境では,ベンダから提供されるアプリケーションサービスに特許侵害が存在する場合,ベンダのみならず利用者もまた共同的に直接侵害者となり,特許権者に対して損害賠償責任を負うと解される。)。

SaaS等のクラウドサービスにおいてそのような特許紛争が発生した場合,優秀なローファームを10年以上雇い続けることのできるだけの潤沢な資金余力のある企業でないと生き残ることが難しいのではないかと思う。


[このブログ内の関連記事]

 AppleのiOSとGoogleのAndroid上のゲームアプリについて,特許紛争が発生
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/appleiosgooglea.html

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