« 公正取引委員会:株式会社ディー・エヌ・エーに対する排除措置命令 | トップページ | IAEAの元事務次長が,福島第一原発事故は危険性の指摘を20年間も無視してきた結果発生した人災であると証言 »

2011年6月10日 (金曜日)

活断層の見直し

下記の記事が出ている。

 福島第1原発近くの双葉断層など3断層で地震発生確率高まる 調査委が見解
 産経ニュース: 2011.6.10
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110610/dst11061001280001-n1.htm

この記事の中にある3つの活断層は,まともな研究者等からすれば危険極まりないものであることがずっと以前から知られていたのだが,原発推進派の者や利害関係のある者ばかりで委員が固められている政府関連委員会等では「危険ではない」と明言されてきたものだ。本当は,危険な活断層であることは常識に属する。ただし,純情な裁判官は知らないかもしれない。

もちろん,現在のところ政府関連委員会等で「危険ではない」とされている活断層の中には,他にも危険なものがいっぱいある。

政府関連委員会は,そろそろ嘘をつくのをやめて,国民のために本当のことを述べるべき時期が来たのではないだろうか?

また,裁判所は,ごまかしだらけの政府関連委員会見解の呪縛から一日でも早く解放されなければならない。これまでは,奴隷のようなものだった。そこには裁判の独立も知性も何もない。

ちなみに,地震との関係では,活断層のみにとらわれる見解は完全に誤っている。内陸部を震源とする地震について,活断層の有無にこだわり続ける限り,まともな地震対策など絶対にできない。若い研究者は,指導教授や古い教授の見解を全否定することになったとしても,そして,それによって様々な不利益を被ることになったとしても,国民の安全と幸福を考え,正しい理論を提供すべきだと思う。よく分かっている研究者は既に理解しているはずだ。小さな「学会」という閉鎖環境の中だけで狭い了見に基づく諸々の利益を維持できるような時代は既に終わっている。

活断層を基準として判断する理論は,実は,「活断層がなければ安全」として免罪符を与えるために意図的に構築された理論であり,少しも科学的な理論ではない。

もちろん,活断層それ自体は危険なものだ。しかし,「活断層が存在しないから安全」ということは,「活断層だけが危険」という論理を前提にしない限り,何も証明されていない。要するに,単なるトートロジーに過ぎないのだ。積極的に,「活断層がなければ(それだけで)安全」という確証を得ることは不可能なことに属する。

そして,「活断層がないから」という理由で地震の影響を低く評価し,そのようなごまかしの評価に基づいて原発などの危険施設を構築する行為は,理論的には,未必の故意による大量虐殺行為に該当し得ると理解している。

日本の国土には,活断層の有無等とは全く関係なく,地震との関係で安全と評価可能な地域などただの1平方メートルも存在しない。それが真実だ。

[追記:2011年9月13日]

関連記事を追加する。

 岐阜・阿寺断層帯で地震発生確率上昇 東日本大震災の影響で
 産経ニュース: 2011.9.10
 http://sankei.jp.msn.com/science/news/110910/scn11091006530000-n1.htm

|

« 公正取引委員会:株式会社ディー・エヌ・エーに対する排除措置命令 | トップページ | IAEAの元事務次長が,福島第一原発事故は危険性の指摘を20年間も無視してきた結果発生した人災であると証言 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 公正取引委員会:株式会社ディー・エヌ・エーに対する排除措置命令 | トップページ | IAEAの元事務次長が,福島第一原発事故は危険性の指摘を20年間も無視してきた結果発生した人災であると証言 »