SamsungがAppleに対する法廷闘争を激化させる
いかにも韓国企業らしいと思うのだが,下記の記事が出ている。
Samsung Escalates Fight With Apple
Wall Street Journal: April 29, 2011
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704330404576290642768794776.html
今後の見通しについてだが,Samsungが訴訟に勝っても負けても,根本的なところで重大な不安材料があるため,Samsungの未来にはかなり厳しい暗雲がたれこめていると言わざるを得ない。
それは,GoogleのAndroidが特許侵害物として全く利用できなくなってしまう可能性があるからだ。
Samsungは,Androidに100パーセント依存してしまっている。
打開するためには,Androidとは別のOSを搭載した機種によるビジネスモデルを模索するしかない。
他方で,Appleの側も同じ問題を抱えている。
要するに,どっちにしても過去に存在した特許技術の模倣や応用に過ぎず,特に新規性があるとは思えないので,常に特許侵害だとして訴訟を提起され続けるべき運命にある。
そういうわけで,お互いに「誰に対しても完全な勝者」という意味での勝者となる見込みはほぼ完全にないので,適当なところで和睦するのが良いのではないかと老婆心を働かせてしまったりするのだ。ただし,合理的な範囲内で決断しないと,たちまち独占禁止法違反ということになるので,やり過ぎは禁物だ。
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