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2011年5月 7日 (土曜日)

「原発は安全だ」と認定した判決があれば,原発は安全なのか?

下記の記事が出ている。この記事を書いた者の見識を疑う。

 「なぜ今」「海外に誤ったメッセージ」原発放棄、信頼は失墜
 産経ニュース: 2011.5.7
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110507/plc11050701240003-n1.htm

「原発は安全だ」と認定した判決があれば安全だというのであれば,何故,福島第一原発は事故を起こしたというのだろうか?

ここでも「想定外」というのだろうか?

世の中には「誤判」も「冤罪」も絶対に存在しないというのだろうか?

オーストラリアなど原発を導入しない政策を採っている国は間違っているというのだろうか?

もちろん,そうではない。

国の安全基準がそもそも間違っていたのであり,その安全基準を策定した委員が全員無能だったということであり,原子力政策を推進してきた学者達が(自己批判しているように)思慮不足だったということであり,そして,原発関連の訴訟における判決や決定の大半が誤判であったというだけのことだ。

上記の記事では,記事の前提とする事項がほとんどすべて誤りに満ちている。

ちなみに,福島原発のMOX燃料に関しては,下記のような決定と関連記事がある。もし福島第一原発でMOX燃料が使われていなければ,事故による被害の程度・態様が大きく異なっていた可能性があるが,福島地裁の裁判官は,MOX燃料それ自体の安全性という問題だけに議論を矮小化してしまい,それを入れる器である原子炉の危険性を完全に看過してしまっている。明らかな誤判の一つだと言える。もし今が江戸時代であれば,事件を担当した裁判官は,切腹して果てることにより国民にお詫びをしなければならないところだろう。今回の福島第一原発の事故による被害について,私は,この裁判官が共同不法行為者(加害者)としての立場にたっていると考えている。

 プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)を原子力発電所に装荷することの禁止を求めた住民らの仮処分命令の申立てが認められなかった事例
 http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20110317#1300351417

 「福島第一原子力発電所三号機用MOX燃料集合体三二体を同発電所三号機に装荷してはならない。」という申し立ては却下された。。。
 http://maruyama-mitsuhiko.cocolog-nifty.com/security/2011/03/post-4eab.html

ところで,私は「地球温暖化説」には反対なのだが,もし温暖化の要因が存在するとすれば,その最大の要因は,原発から大量に排出される膨大な高熱の排水であることは明らかだ。CO2ではない。

もし原発が大事故を起こせば,化石燃料云々どころではない結果がもたらされる。それは,悪くすれば人類の絶滅かもしれないし,良くても日本の滅亡かもしれない。

もちろん,原子力政策を転換すれば,原子力関係の産業に従事している人々は仕事を失うかもしれない。しかし,かつて石炭から石油に転換したときには,石炭産業が衰退してしまったし,それによって旧財閥系の大企業を含む石炭会社も全部消滅し,その関係者や従業員達は職を失ってしまった。このような歴史は事実なので無視することはできない。そして,いま,原子力産業だけを絶対に保護しなければならないという理屈はどこにもない。

時代が変化したのだ。

変化に適応できない者が死滅するのは自然法則の適用それ自体だと言って良い。

 

[このブログ内の関連記事]

 政府が浜岡原発の操業停止を要請
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-19a6.html

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