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2011年5月23日 (月曜日)

フランス:違法コピーされたコンテンツをダウンロードした者を監視し,その個人データを政府機関が著作権管理団体等に提供していることが個人データ保護指令に違反する疑い

下記の記事が出ている。

 While in France, Watch What You Download
 New York Times: May 22, 2011
 http://www.nytimes.com/2011/05/23/technology/23cahce.html

ある著作権関係に強いと自称する法律家から,「フランスではフランスの法律に基づいてやっていることなんだから何も問題ないじゃないか」と笑われたことがある。

人間関係をぎくしゃくさせたくなかったので,その場では黙っていることにした。

しかし,そういうことを本気で思っている者がいるから,法律家の世界でも部分的に妙なことになってしまっている。

要するに,著作権法だけしか知らないのだ。

そういうタイプの人間のことを,一般に,「専門馬鹿」と呼んで蔑んでいる。

法律の世界は,著作権法だけで構成されているわけではない。そして,著作権法に定める権利だけが唯一絶対の権利ではない。

もちろん,個人データに関する権利だって唯一絶対の権利ではない。

文脈と状況に応じて,権利と権利の間の利益考量をしなければならない場面は多々あり,それを適切に行うことが真の意味での法律家の任務だ。誰か特定の当事者の利益だけを代弁することしかしない者は,法律屋ではあり得ても法律家ではない。

法秩序全体を思考できない者は,法律家の世界からさっさと出て行き,二度と戻って来ないで欲しいと切に願っている。

いずれこの願いは天に届くことだろう。

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