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2011年5月 5日 (木曜日)

反原発バイブル?

下記の記事が出ている。

 ネット上に反原発“バイブル”拡散 専門家「不安あおっているだけ」 
 産経ニュース: 2011.5.4
 http://sankei.jp.msn.com/life/news/110504/trd11050422140015-n1.htm

私も不正確な内容を含む資料だと思う。

ただし,この記事にも問題がないわけではない。

例えば,札幌医科大の高田純教授(放射線防護学)のコメントとして,「今回の文書のように、いたずらに不安をあおる不正確な情報が出回ることは原発の推進、反対のどちらにとっても迷惑な話。マスコミが政府の発表内容をしっかりと検証した上で報道し、正しい情報・知識を国民に伝えてほしいと話している。」と書かれている。新聞のコメントなので,それ自体として正確なものではないかもしれない(私自身何度となくひどい目にあってきたので,現在では基本的に取材をお断りしている。)。

しかし,コメントの形式で書かれていることの内容に納得する国民はいないだろうと思う。

なぜなら,これまで原子力安全委員会やその他の原子力関係の「専門家」がでたらめなことばかりやってきたから国民は怒っているのだ。誰も「専門家」の言うことなど信用しなくなってしまっている。その原因は,全て「専門家」自身にある。また,「政府の発表資料」もでたらめだった。大事なファクトデータの大半は隠蔽されてきたし,現時点でも隠蔽され続けている。だから,「マスコミが政府の発表内容をしっかりと検証した上で報道し、正しい情報・知識を国民に伝えてほしい」と言われても,国民の不信感は更に増強されるだけだ。

国民の知的能力を信じることなく,逆に馬鹿にしたような考えに基づき「パニックを避けるため」との口実で,放射線測定結果等のデータを隠蔽し続けたツケが,ここに来て巨大な政府不信のうねりとなりつつあるのだろうと推測する。

私自身は政府を擁護する気はないが,もし政府が国民の信頼を回復し,政権を維持しようとするのであれば,少なくとも次のことを直ちに断行するしかない。

1) 福島第一原発だけではなく,全国の他の原子力施設を含め,危険な状態にある施設については,正直に「危険な施設」として情報提供をすること

2) 福島第一原発と関連する放射能測定データ等を速やかに全面開示すること

3) 大地震・大津波等の自然災害及びアルカイダや北朝鮮等からの物理攻撃に対する防御にほんの少しでも懸念のある施設では,原子力燃料を抜き取り,安全な場所で保管すること

4) 全ての原子力施設について徹底査察を行い,問題があれば速やかに廃炉や業務停止等を決定すること

以上だけで足りるとは思わないが,少なくともこれくらいのことをしなければ,政府が国民の信頼を回復することは不可能だ。

[このブログ内の関連記事]

 原子力発電を推進してきた学者らが自己批判と懺悔
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-8304.html

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