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2011年5月26日 (木曜日)

中国:原発増設計画を維持することは可能か?

中国では,石炭・石油の枯渇による深刻なエネルギー問題に直面している。このことが,国際政治的には海底油田・ガス田に対する権益確保についての異常なまでの執念の原因のひとつになっていることは疑うべき余地がなく,また,原子力発電への依存を強め更に増設する動きへとつながっていると思われる。

この点に関して,下記の記事があった。

 中国経済:中国の原子力開発計画に変更なし=田代尚機
 Seachina: 2011/05/25
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0525&f=business_0525_056.shtml

要するに,福島第一原発事故によりリスクが明確にされた現時点でも,やめるわけにはいかない事情があるということになる。

しかし,成功するだろうか?

私は,消極的な意見だ。

それは,現在の原発の基本構造に問題があるからだ。現在の原発の多くは,大量の水を必要とする。水がなければ冷却機能が働かなくなり,極めて危険な事故を発生させる直接の原因となる。

ところが,中国では内陸部奥深くに建設された原発が数多く存在し,しかも,その地域では長年にわたり干ばつが深刻さを増している。つまり,将来,必要な分量の水を得ることができない状態になる可能性が高い。他方,沿岸部にある原発の多くでは,東日本大震災におけるのと同程度の巨大津波による破壊のリスクを否定することができない。

私は,もちろん,そのようなリスクが顕在化して原発が爆発してくれたほうが良いとは全く考えていない。なにしろ,汚染物質は,ジェット気流に乗り,黄砂と同様に朝鮮半島や日本にも大量に降り注ぐからだ。

ベターな選択としては,高度経済成長路線を修正することだろうと思う。

エネルギーの消費を減らし,減らした消費量をまかなうのに足りるだけの必要な代替エネルギーを模索することが最も賢明な政策論だろうと思っている。


[追記:2011年5月30日]

関連記事を追加する。

 ベトナムが異例の会見で中国非難 探査妨害に危機感
 産経ニュース: 2011.5.29
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110529/asi11052922110007-n1.htm

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