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2011年5月16日 (月曜日)

国立がん研究センターの見解と提案

受動喫煙云々のところが意味不明であることは既に書いた。

 ガンセンターの説明は意味不明
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-5bdf.html

思考回路に問題のある人がドラフトしたのかもしれないので,もしそうであるとするなら長期の病気療養休暇をとらせたほうが良いと思う。仮にそうでないとするなら,がんセンターは,「受動喫煙が危険ではない」という見解を公式に公表し,従来の見解を改めたことになる。愛煙家にとっては大きな朗報だ。

それはさておき,本日現在掲示されている公式見解は,次のところにある。

 国立がん研究センター
 http://www.ncc.go.jp/jp/

7項目ある。

 1.現時点の放射性物質による健康被害については、チェルノブイリ事故等のこれまでのエビデンスから、原子炉において作業を行っている方々を除けば、ほとんど問題がないといえる。

 2.現在、暫定的に定められている飲食物の摂取制限の指標については、十分すぎるほど安全といえるレベルである。

 3.放射性物質に汚染されたと考えられる飲食物については、放射性物質の半減期を考えれば、保存の方法を工夫すれば、十分に利用が可能である。

 4.放射線量については、定点でかつ定期的に測定し、放射性物質の種類(ヨウ素-131、セシウム-134等)を、定期的に発表を行うことで、国民の方々が安全であることを理解し、安心が得られると考えられる。

 5.今回の問題となっている原子炉について、当該原子炉から放射性物質が含まれるちり等が拡散しないよう、いち早くの対応をお願いしたい。

 6.被ばく線量が250ミリシーベルト以下での職場環境が保たれない場合は、自己の末梢血幹細胞を保存しておくことを提案する。

 7.今後、国立がん研究センターでは、長期にわたる放射線の発がんへの影響について、臨床面と研究面から注意深く追跡を行って参ります。

以上のように書いてある。

学生が書いて提出するレポートよりも大幅に質が悪いので,がっかりした。

1については,チェルノブイリ原発事故に関し,まともなエビデンスをロシア政府やウクライナ政府が公表してこなかったし,今後も公表される見込みが皆無である以上,全く無意味であるかまたは虚偽内容の記述と思われる。この項目を削除すべきだ。

2については評価が分かれることだろう。某国のように隠れた原発事故による汚染の影響を無視すれば,この記述のとおりになるかもしれない。しかし,反対の見解もある。紛らわしいので,削除したほうが良い。

3については,主に放射性ヨウ素だけを念頭に置いていると思われる。セシウムの半減期は約30年なので,セシウムを考慮に入れれば明らかに間違った記述ということになる。そして,現に東京都内等ではセシウムが検出されている。この項目を削除すべきだ。

4については,理解を得られないと思う。この項目を削除すべきだ。

5についてはそのとおりなのだが,東電と政府の方針どおりにやっていると,放射性物質を含んだ粉塵の発生を阻止することができず,これからもどんどん出てきてしまう。そうかと言って,政府の政策を批判し糾弾する内容の記事に書き換えることもできないだろうから,この項目を削除するしかない。

6については,現実問題として,実行不可能だと思う。過去に臍帯血ビジネスで失敗してしまった事例があることをすっかり忘れてしまっているようだ。都合の悪いことには一切触れないというだけのことかもしれない。しかし,政府機関である以上,実現可能性のないことは提案すべきでない。この項目を削除すべきだ。

7については,本来の仕事なので,ちゃんとやってほしい。本来の仕事である以上,わざわざ書くまでのことはないので,削除したほうが良い。

このように検討してみると,残すべき項目はないという結論になる。

税金の無駄遣いそのものと言うべきだろう。

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