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2011年5月 7日 (土曜日)

藤田晶子「ウエッブ仮想社会における著作権侵害事例と司法的救済手段について」

下記の論文が目にとまったので読んでみた。

 藤田晶子
 「ウエッブ仮想社会における著作権侵害事例と司法的救済手段について」
 法律実務研究第26号(2011年3月1日), pp. 257-307
 東京弁護士会
 
 

この論文で想定し実例としてあげている仮想社会は,主としてSecond Lifeなので,若干時代遅れの感がないわけではないが,そのような限界のある論文であることを前提に読んでみると,参考になる部分が幾つかあった。

特に米国の裁判例を紹介する記述は,なかなか類書がないこともあって,貴重な資料の一つとなっているのではないだろうか。

なお,この論文の中では,司法的解決策としてADRの活用が提案されている。それはそれで一つの方法だと思われる。ただ,当事者自身も仮想化・多重化されているという現実をどう理解しているのかについては必ずしも明らかではない。

著者に対しては,更に調査・検討と思索を深め続けるよう期待したいところだが,この論文それ自体としては現時点で資料としての価値があると判断したので,紹介することにする。

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