原発事故を起こした企業と経営者等に対して厳罰とする法律を制定すべきだ
原発事故により立入制限が設けられる。
そのこと自体は正しい。できれば半径50キロくらいとすべきだと思う。もし立入制限を設けなければ,原爆病による死者を大量に出してしまうことだろう。立入制限を躊躇することによる殺人行為を認めるわけにはいかない。
その上でのことなのだが,このようなことが起きてしまった原因について言えば,明らかに,原発を運営している東電とその施設・設備等を提供している東芝に全責任があると言える。
しかし,現行法令では,これらの会社やその役員等を処罰したくてもそれほど重い罪にはならない。
私は,業務上過失致死傷の罪により,東電の経営者全員をさっさと逮捕してしまうべきだという考えの持ち主だし,刑事事件の被疑者となるべき者がまだ経営者として君臨していることそれ自体を極めて奇異なことだと考える者なのだが,この業務上過失致死罪の刑では上限いっぱいでもたいした刑にはならない。
そこで,過失により原発事故を起こした者については,原則として死刑(または絶対的終身刑)と全財産没収刑とするような新規立法をすべきだと思う。
私は,民主党の支持者ではないし,現政権がやっていることについて批判を持っていないわけでもない。対応のまずさにはひどいいらだちを覚える。
しかし,民主主義の建前上,政府は民主党によって構成されなければならないし,暴力その他の非民主的な手段によって政府を覆すことは許されない。
そして,原発事故の被災者が怒りを向けるべき対象は,現政権ではない。旧自民党政権であり,東電であり,東芝であるべきだ。私自身日々被爆しながら暮らしている状態なので,福島原発周辺から避難している住民の怒りはわかり過ぎるほどよくわかる。けれども,その怒りを向ける相手を間違っている。政府や首相ではなく,旧自民党,東電そして東芝に向けられるべきものだ。この点に関して,一部のマスコミは「まやかし」のような報道を繰り出しているが,決して騙されてはならない。
刑罰不遡及の原則があるので,これらの者を将来の法律によって重く処罰することはできないが,少なくとも,現行法令の適用により処罰可能な者は一人残らず処罰してほしい。
他方,被災者に対する補償のための資金は,基本的にない。国は,単なる「金庫」に過ぎないのであり,金の卵ではない。国という名の「金庫」は既にからっぽの状態だ。
そのため,増税や電気料金の増額などが検討されている。しかし,原発事故について何の責任もない一般国民が,将来の増税や電力料金の値上げなどによって一律に罰金刑を受けたのと同じになること,それにもかかわらず,本来責任を負うべき者が厳しく処罰されないということは,個人であれ企業であれ国民の誰一人として納得できるものではない。なぜ何の罪もない個人や企業が重大な加害行為をしでかしてしまった者のために巨額のお金を出してやらなければならないのだろうか?
検察当局は,可及的速やかに捜査を開始し,少なくとも東電の役員,東芝の役員,旧自民党時代の大臣,過去から現在までの原子力安全委員会の委員等については,どしどし逮捕して厳しく取り調べてもらいたいものだと思う。
私は,旧自民党政府当時の原子力発電所政策や安全対策(安全基準の設定等)それ自体が業務上の過失を構成するものであったと判断している。
また,原発関連訴訟において,私見と異なる判断をしてきた裁判官達に対しては,自らの愚かさと無知・不明を悟り,一日でも早く退官してしまうことを要望する。これらの裁判官達が反原発訴訟の原告らや証人として出廷した研究者らの声に謙虚に耳を傾けていたら,今回のような事故が発生することは絶対になかっただろうと確信する。
私自身は,群れることを嫌う人間だし,とりわけ特定の政党や思想団体等に利用されることを極度に嫌う人間だ。だから,様々な社会運動から常に距離を置いてきたし,これからもそうするだろうと思う。しかし,「主張それ自体」は,主張している組織・団体やその政治的色合い,運動の意図等とは完全に切り離して考えるべきものだと信じている。
日本から「原発」という名の原子爆弾を一日でも早く除去しなければならない。
近隣の友好国とりわけ韓国でも是非ともそのようにしてもらいたいものだと切に願う。
[追記:2012年23:33]
関連記事を追加する。
「不適切」安全委員長が陳謝 電力業界への作文指示で
産経ニュース: 2012.6.4
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120604/crm12060421560057-n1.htm
現委員長が陳謝するのは,役職上当然のこととして,(総理大臣や関連省庁の大臣を含め)当時の関係者の氏名を全て明らかにし,それらの人々に陳謝させることのほうがもっと大事なことではないだろうか?
[このブログ内の関連記事]
放射線濃度の高い地域への住民一時帰宅
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-755e.html
原発周辺では,最短でも20年間は人が住むことは許されない
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-fdc0.html
福島原発周辺住民の涙
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-2bcb.html
| 固定リンク
コメント